朝晩の冷え込みがぐっと厳しくなってきたことで、福井県内でも木々が色付き始めました。ただ、例年に比べると進み具合はゆっくりです。村田光広気象予報士が「紅葉に遅れ?標本木から見る異変」をテーマに解説します。
紅葉は、気象台で観測していることを皆さんはご存知でしょうか? そこで、福井地方気象台に行ってきました。
「イロハカエデ」の標本木は福井地方気象台の構内にあります。気象情報官の細道晶子さんによりますと「木の大部分の葉の色が紅色に変わった状態になった最初の日を『紅葉の日』として観測している」といいます。4日はまだ緑色の部分が多い状態でした。
気象台の観測データを見てみると、興味深い変化が起きています。福井のイロハカエデの紅葉日の平年は11月28日ですが、近年は12月上旬へと後ろにずれ込んでいるのです。2024年は観測史上最も遅い12月9日でした。
見頃は12月上旬になっているということになります。
「カエデの紅葉が遅くなる傾向は夏から秋の平均気温と相関が高いと言われていて、長期的な気温の上昇が関係している可能性もあると思われる」(気象情報官の細道さん)
つまり、夏から秋にかけての気温変化の影響が大きいと考えられます。
福井市の1971年から2025年の9月〜11月の3カ月の平均気温の推移をみると、上昇傾向となっています。過去数十年、平均気温18度を超えたことがないのですが、ここ数年は18度を軽く超えています。
葉が色付くためには朝晩の冷え込みが必要ですが、この気温上昇が紅葉の遅れに直結していると思われます。
遅れの傾向があるものの、県内の紅葉スポットはそろそろ見頃になりそうです。民間の気象会社・ウェザーニューズの予想によると永平寺や九頭竜湖畔は来週にも見頃に、西山公園や西福寺は20日前後に見頃となるでしょう。
やや遅れ気味ではあるものの、きれいな紅葉は今年も楽しめそうです。
