愛知県で10月に開かれたアジア大会のソフトテニス団体で金メダル、シングルスで銅メダルを獲得した福井市棗地区出身の宮前希帆選手に、これまでの歩みや今後への思いを聞きました。
コーチの母の影響で始めたソフトテニス
京都府城陽市にあるテニスコートで黙々と練習に打ち込むのは、福井市棗地区出身の宮前希帆選手(20)。10月に行われたアジア大会ソフトテニスで、日本代表の柱として見事、女子団体で金メダル、シングルスで銅メダルを獲得した期待の新星です。
アジア大会での活躍については「迷いなく自分の思った通りのプレーができたので“前衛としての嗅覚”という部分ではしっかりできた。お世話になった方がたくさん来ていたので、私なりの恩返しができて良かったと思った」と振り返ります。
宮前選手がラケットを握ったのは5歳の時。ソフトテニスのコーチをしている母の影響でした。
「(練習に)連れて来られてボールを打つのが楽しくて続けていたけど、背が小さい事もあって、なかなかボールに触れられずポイントする機会が巡って来なくて、何度か本当に辞めたいと思ったことはある。でも、何とか踏ん張ってきた」
高校はソフトテニスの強豪・広島翔洋高校へ進学。その後、一度は大学に進んだものの、ソフトテニスに打ち込むために大学を中退し実業団の名門「ワタキューセイモア」に入団しました。
「単純にソフトテニスという競技が好きだというのが根底にあるので、好きだから苦しいことも頑張るという感じ」
「頭を使うのが強み」
身長は156センチと選手としては小柄なものの、宮前選手にはその体格をカバーする大きな武器があります。
「運動神経が特別にいいわけでもなく、どうやって勝てるかという戦略や組み立てを人一倍考えるようにしている。そこから迷いがなく動くことにつながっていると思うので、頭を使うのが自分の強みだと思う」
緻密な戦略と技術で相手に立ち向かう宮前選手。日頃から大切にしている言葉を明かしてくれました。
「『過去の自分に未来の自分が感謝する』という言葉を大切にしている。苦しいことも正直多いし大変だけど、いま頑張らなかったら絶対に結果は出ない。頑張っていても結果が出ないのに、頑張らなかったら当然、結果は出ない。苦しくても頑張り切るという気持ちで負けないように意識している」
「過去の自分に未来の自分が感謝する」苦しいときもこの言葉を胸に努力を重ね、世界で戦える選手へと成長しました。
6日からの全日本選手権で狙うは2年ぶりの優勝
福井を離れて約5年。大会の合間には積極的に地元に帰ってきているといいます。
「指導をすることもあって、みんなが楽しんでいる姿を見て『もう一回頑張ろうかな』と力をすごくもらっている。本当に、帰れる場所だし力をもらえる場所なので、めちゃくちゃ愛着が湧いています」
若き星として活躍を見せる宮前選手。スポーツに励む福井の子供たちへの思いを語ってくれました。
「どうしてもスポーツはフィジカルが大きく強い人が勝ちやすいというイメージがあると思うけど、そんなことはない。小さくても頭を使ったり自分の得意な部分を出していければ勝てるということを伝えたい。そういう意味では目標にしてもらえたらと思う」
アジア大会でのメダル獲得を経て、宮前選手の視線の先にあるのは6日から始まる全日本選手権。2年ぶりの優勝を狙います。
「どんな人が来てもどんな大会でも勝ち続けられるような選手になれるように取り組んでいきたい。(全日本選手権の目標は)優勝ですね。そこしかないと思っている」
若きアスリートの道しるべとなるべく、宮前選手の挑戦は続きます。
