映画監督や俳優、エッセイストなど多才な分野で活躍し、愛媛県松山市とゆかりが深かった伊丹十三。松山市にあるこの文化人の記念館では、収蔵庫にある直筆の原稿や愛用品を見学できる特別ツアーが3日までの4日間開かれました。
並んでいるのは映画「お葬式」「マルサの女」など代表作の受賞トロフィー。特別ツアーで見学できたのは普段は非公開の収蔵庫。1日4人限定で行われました。
収蔵庫に保管されているのは、映画監督やデザイナー、エッセイストなどとして活躍した伊丹十三の8万点以上の資料。原稿やイラストのほか、服や帽子などの愛用品、映画で使った衣装などありとあらゆるものが収められています。
収蔵庫の中で目を引いたのは、神奈川・湯河原にあった自宅のダイニングルームを再現した部屋。この中のテーブルは実際の映画にも登場しています。
伊丹十三記念館・橘さくら学芸員:
「このダイニングテーブルも『お葬式』に出てきます。冒頭の亡くなるお父さんと菅井きんさん演じる奥様がアボカドを食べているところで映っている」
手描きの原稿もあり、伊丹十三独自の創作スタイルもうかがえます。
橘さくら学芸員:
「伊丹さんは既存の原稿用紙を裏返して、上半分にだけ文字を書いて下の余白の部分では書き加えるものや間違えたところを新しく書き添える」
さらに記念館の館長を務める妻・宮本信子さんが「マルサの女」で使ったTシャツやかつらもありました。
また伊丹十三のデザイナーとしての才能を示すイラストも見どころの一つ。小学2年生の時に模写した絵やエッセイの挿し絵の原画などが並び、幼いころからの豊かな才能がうかがえます。
新しい技術にも積極的でした。
橘さくら学芸員:
「こちらMacのノートパソコンになっておりまして、伊丹さんは還暦近くになってパソコンにも興味を持たれて、デジタルなこともされていたんですけど。『スーパーの女』(1996年)の制作時にインターネットのサイトを作っておりまして、映画を撮影している様子を生中継、配信したこともあります。おそらく世界で初の試みだったと。あとあと伊丹さんはもうちょっと宣伝しておけばよかったと悔しがっていたそうです」
尽きることがなかった創作への探究心。果敢に挑んだ新しい技術。特別ツアーに参加した人たちは、作品の舞台裏や暮らしぶりに触れながら、その足跡に思いを馳せていました。
この特別ツアーの次回は、来年春に予定しているということです。
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