なるべく水を使わない農業への転換を
そのためコンヤの農業を持続可能なものにするための研究も進められている。
トルコ国内で唯一の干ばつ試験センターを持つバフリ・ダーダシュ国際農業研究所では干ばつ対策のための品種改良を行っている。
水をあげることなく雨だけで育つ大麦や小麦などを開発するなどこれまでに50品種の栽培に成功するとともに、そのうち約20品種はすでに農家の手に渡っているという。
取材した品種改良中である「加工用のトウモロコシ畑」では通常の水の半分の量しか与えられていないにも関わらずしっかりと実がなっていた。実用化できれば、さらに多くの地下水をくみ上げる必要がなくなることに繋がる。
研究所のオスマン・イェネル所長は農家に技術を知ってもらうことが重要だと話す。
「農家の畑で実際に栽培し一緒に収穫を行い、評価してもらいます。例えば、我々が開発した干ばつ耐性品種と市場に出回っているほかの品種との収穫量の違いを農家が直接、確認できるようにすることで干ばつ耐性品種を選んでもらえるようになります」
また干ばつ対策は品種改良だけではない。
研究所では土壌をなるべく耕さない栽培方法を推奨している。
耕さないことで土壌にある水分の蒸発を抑えることができ、新たに水を撒くことをしなくても作物が効率よく育つという。また耕うん機を動かすための燃料や排ガスなども削減できるメリットもある。
灌漑に関する研究も行っており、水を効率的に利用し、より少ない水でより多くの収穫量を得ることを目指した研究を行っている。
「新しい方式を取り入れ、水の使用量が少ない作物を栽培し、水の使用量が少ない灌漑システムを利用すれば、地下水の減少を防ぐことができます。陥没穴の発生原因のうち人間の活動によるものについては、こうした農法によって防ぐことができるんです」
巨大陥没穴が多発するトルコ中部のコンヤ。
落ちれば命の危険もあるほどの大きく深い穴が突然、できる恐怖と向き合いながら市民が生活していた。一方でお金を稼ぐために多くの水を使い穀物を育てなければいけない農家の方たちがいるのも現実。
陥没穴から自らの命を守りながら将来にわたって生活を守るためにも、コンヤ全体で持続可能な農業への転換が早急に求められている。
【取材・執筆=フジテレビ イスタンブール支局長 加藤崇】

