2026年に100歳を迎えた鹿児島市の彫刻家、中村晋也さん。今も作品づくりへの情熱を絶やさない中村さんの新作が、10月27日にお披露目された。鹿児島市の本願寺鹿児島別院に設置された「かくれ念仏モニュメント『光はここに 光はここから』」である。
禁教が解かれて150年の節目に
1597年から約300年にわたり、浄土真宗の信仰が禁じられていた鹿児島。2026年はその禁教が解かれてから150年という節目の年にあたる。これを機に、本願寺鹿児島別院が中村さんに作品の制作を依頼した。

中村さんは、JR鹿児島中央駅前の「若き薩摩の群像」や、2023年に奈良県の薬師寺へ奉納された「釈迦八相像」など、ダイナミックなモニュメントを数多く手がけてきた。今回の作品は、約3年前から制作を続けてきたものだ。題材となったのは「かくれ念仏」である。

大きな手の平の下に念仏を唱える人々
モニュメントは、本願寺鹿児島別院の境内に入ってすぐ、参道のすぐ横に設置されている。大きさは高さ約3メートル、幅約1.9メートル、奥行き約1.8メートルである。

大きな手の平が合わさり、その下に生まれた空間には、念仏を唱える人々の姿がある。信仰が禁じられていた間、洞窟などで念仏を唱え続けた「かくれ門徒」の人々の様子を表現したもので、その表情は感謝に満ちている。

「私がこの仕事を選んだことは間違いではなかった」
2026年5月の制作取材で、中村さんは作品への思いを語っていた。作品とはどんなものかと問われると、次のように答えている。

「自分の足跡だから。いいも悪いも。でも、私がこの仕事を自分の生涯の仕事として選んだことは間違いではなかった」
これからも作り続けるのかという問いには、こう話した。
「そうでしょうね。それがなかったら中村晋也という人間はいない」
100歳を迎えてなお、彫刻とともに歩む姿勢がうかがえる言葉である。

見る人それぞれの受け止めでいい
お披露目にあたり、中村さんは次のようにコメントを寄せている。
「今回の記念碑は迫害を受けても念仏を続けた人々に思いを馳せて制作しました。これを見る人がどのように見てくださるか、それはその人それぞれでいいのだと思います」

中村さんの作品は、本願寺鹿児島別院で一般開放されている。鹿児島で信仰を守り続けた人々の歴史と、100歳の彫刻家の創作への思いに触れる場所として、足を運んでみてはいかがだろうか。
(動画で見る▶【今年100歳】彫刻家・中村晋也さんが新作披露 色あせぬ情熱)

