網の上でじっくりと焼き上げると、うまみと香ばしさが際立つ宮城県の名物・笹(ささ)かまぼこ。
2026年もまもなく11月。
師走の足音も近づく中、年末年始の食卓に欠かせないかまぼこがピンチに直面しています。
その裏には、かまぼこ界のある“ライバル”の存在がありました。
宮城県のアンテナショップを訪ねると、30種類以上の笹かまぼこがずらりと並んでいました。
豊かな漁場を誇る宮城県では、明治時代に「かまぼこの食文化」が生まれ、古くから県を代表する名産品となっています。
店内では人気の「揚げかまぼこ」を大量買いする女性の姿も。
女性は「10個買いました!まず2個今日の晩酌で食べて、明日のお弁当に持って行って。おでんとかにしてもおいしいし、あっという間になくなります」と話しました。
一方で、店では笹かまの仕入れ価格がここ数年、毎年20~30円ずつ上がっているといいます。
宮城県内にある老舗メーカー「阿部蒲鉾店」の工場では連日、大量の笹かまぼこが生産されていますが、日本かまぼこ協会の会長も務める阿部蒲鉾店の社長は危機感をあらわにしています。
日本かまぼこ協会会長・阿部蒲鉾店社長 阿部さん:
環境の変化や地球温暖化で安定した原料を確保するには、海外に依存するしかない状況。
かまぼこの主原料であるスケトウダラのすり身。
日本では、その多くを輸入に頼っています。
国の統計によりますと、アメリカ産の冷凍タラのすり身1kg当たりの価格は、円安や世界的な魚食ブームによる原料争奪戦のあおりで、2025年1月の約376円から、2026年8月には約503円にまで高騰。
その影響で、宮城県内では笹かま製造会社の倒産が相次ぎました。
さらに、この状況に追い打ちをかけているのが世界的な“カニカマ人気”です。
ニューヨークのスーパーマーケットでは、カニカマがすしやカリフォルニアロールに使われ、大人気。
さらに、ニューヨークではまるで“本物のカニ”のように作られた精巧なカニカマまで。
こうしたカニカマ人気が海外で続くことにより、日本は輸入すり身の買い負けに見舞われ、原料が同じ笹かまの高騰につながっているのです。
日本かまぼこ協会は、円安や原油価格の影響で、2027年はさらに高騰する見込みだとしています。
