学生三大駅伝のひとつ、全日本大学駅伝が11月に東海地方で行われる。鹿児島市の志學館大学が2大会連続で出場する。2025年にチーム初出場ながら1区で区間賞に輝いたエース、中村晃斗選手(4年)に、学生最後の全国駅伝にかける思いを聞いた。
約2時間、黙々と走るエース
志學館大学陸上競技部は、駅伝大会に向けた練習に励んでいる。一定のペースで走る「ペース走」や、徐々にペースを上げる「ビルドアップ走」など、約2時間にわたって汗を流していた。

その中で黙々と走り込んでいたのが、唯一の4年生である中村選手だ。「最後なので、自分が残せるものは残せるように頑張りたい」と語る。
九州地区選考会を制して2大会連続出場
全日本大学駅伝は、愛知から三重までの106.8キロを8人がたすきでつなぐ大会だ。志學館大学は2026年6月の九州地区選考会で優勝し、2大会連続の出場を決めた。

初出場した2025年は27チーム中22位だった。しかし中村選手は、任された1区で並み居る強豪を抑え、区間賞に輝いた。

オリンピックを見据え、実業団入りも決定
中村選手は「自分はオリンピックを目指しているので、そこに行くためには強いチーム・環境が大事だと思っている」と話す。
長距離でも戦える「スピード」ある走りが、2026年のニューイヤー駅伝を制した実業団の強豪、GMOインターネットグループの目にとまった。入団がすでに決まっており、実業団のトレーニングにも参加している。筋力や体幹など、体づくりを学ぶ中で、ある変化を感じているという。
「(終盤にかけて)集団走の中で、足を使わないでラストに持って行ける。体の使い方は去年よりだいぶいい」

今年の目標については、「もう一回区間賞を取るのが最低限の目標。自分のスパートがどれだけ強くなったのか確認できれば」と意気込む。
廃部寸前だったチームが25人に
中村選手が入学した頃、陸上競技部は廃部寸前だった。しかし、中村選手の活躍がチームを大きくし、今では選手が25人にまで増えた。
1年生の福田陽仁選手は、中村選手について「今の自分では手の届かない、追いつけない存在。自分が3、4年生になった時に少しでも近づけるように頑張りたい」と話す。
中村選手自身も後輩への思いを口にする。「『これが全国のレベルだ』というのが九州にいたら分からない。(後輩に)自分が走りで見せられれば」。チームの目標は「地方大学で1番になること」だといい、「そこに貢献できるように1区でしっかり稼ぎたい」と力を込めた。

最後の秋の伊勢路へ
地方にいても戦えることを証明するレースにしたい。11月1日、中村選手にとって最後となる秋の伊勢路を駆け抜ける。
練習の最後には、部員全員で「全日本に向けて頑張るぞ! おー!」と声を合わせた。エースの走りとチームの挑戦に注目したい。

