高市総理大臣は、21日に政権発足から1年を迎えたことを受け、総理官邸で記者団の取材に応じました。
高市総理は、経済や外交などにおける成果を強調するとともに、「2年目の挑戦が始まる」などと抱負を述べました。
<以下全文>
高市総理:
皆様、こんにちは。本日、内閣総理大臣に就任してから1年の節目を迎えました。
自民党総裁選挙に3回にわたって挑戦する中で、エネルギー資源安全保障、防災、健康医療安全保障などリスクを最小化するための危機管理投資、また、日本の優れた技術を社会実装するための成長投資、これを促進することで、安全な国づくりと強い経済を実現しなければならないと一貫して訴えてまいりました。
最初に総裁選挙に挑戦した2021年の時点で、すでに世界は大きな転換点にございました。
各国は高額、かつ、長期にわたる戦略的な産業政策を競い合い、高度な技術、人材、投資をめぐる国家間の競争が激しさを増しつつありました。
今やらなければ間に合わないという強い危機感を胸に3回目の総裁選挙で自民党総裁となり、総理就任後は早速実行に向けて動き出しました。
今年2月の衆議院議員選挙では、総理としての進退をかけ、政権公約として、危機管理投資と成長投資を実行するための責任ある積極財政の方向性をお示しするとともに、今重要な政策転換に挑戦しなければ間に合わないと強く訴え、国民の皆様に信を問いました。
公約を1つずつ着実に実現していくことこそが使命であるとの思いで、この1年間は走り続けて参りました。
臨時国会と今年の特別国会を通じて、政府提出法案74本をすべて成立させることができました。
責任ある積極財政は、まさに日本経済が音を立てて動き出すこと目指した戦いです。
産業界や地方公共団体のご理解も得て、今世の中の空気は変わりつつあると感じています。
数値上も日本経済には確かな変化が現れています。
GDPは名目で700兆円経済が視野に入ってきました。
春季労使交渉の賃上げ率は、三年連続で5%を超えています。
1年前は4万円台だった株価は6万5千円を超える水準となるなど市況の上昇もありまして、国や地方自治体が保有する金融資産は、一年間で80兆円増加をして、990兆円を超えました。
皆様の年金を運用しているGPIFの2025年度の運用益は、前年度から40兆円近く増加しました。
昨年度の税収は前年度よりも約9兆円増加し、過去最高の84.2兆円となりました。
日本経済は30年近く続いたデフレ的な経済構造のもと、働いてもなかなか賃金が上がらないという停滞から、経済の好循環への道を踏み出せるかどうかの分岐点にございます。
この変化の兆しを一時的なものに終わらせないため、日本成長戦略と地域未来戦略を両輪に予算編成方針も大胆に見直しました。、政府が一歩前に出て、国内投資の呼び水として大規模、かつ、長期の予見可能性の高い財政支出を計画的に行い、大胆な民間国内投資を力強く引き出してまいります。
成長なくして、賃上げも税収増も社会保障の充実もありません。
だからこそ、国民の皆様の手取りを増やせる強い経済を実現しながら、財政の持続可能性も確保する。その両方を実現する責任ある積極財政を掲げてまいりました。
高市内閣の成長戦略は、一部の都市や大企業だけのものではございません。
日本の大きな伸びしろは地方にあります。
地域未来戦略によって地方の景色を一変させようという、地方自治体の皆様の溢れんばかりの情熱と挑戦を国が二人三脚で支え、日本列島の隅々まで産業クラスターの花を咲かせてまいります。
また、自民党総裁選挙公約や政権公約で掲げさせていただきました重要な政策転換である政府のインテリジェンス機能の強化、安全保障政策の抜本的強化についても着実に具体化を進めてまいりました。
インテリジェンス機能を強化するために、国家情報会議と国家情報局を設置しました。
しかし、これは第一歩にすぎません。
政府の情報活動の中長期的な推進方策を国家情報戦略として取りまとめるとともに、さらなる機能強化にも取り組んでまいります。
情報力を強くするということは、外交力防衛力、経済力、技術力の強化にもつながりますから、総合的な国力を強化する上でも必要です。
総合的な国力の強化に向けては、防衛力のみならず、技術力や経済、安全保障にも深く関わる3文書も見直してまいります。
この一年間、日本列島は令和8年熊本地震をはじめ、地震、台風、豪雨など度重なる自然災害に見舞われました。
改めて、お亡くなりになった方々に哀悼の誠を捧げますとともに、謹んでご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。
そして、被災されたすべての方々に心からお見舞いを申し上げます。
何よりも人命を守ること最優先に迅速な避難支援で、被災者の方々の生活と生業の再建、インフラの復旧復興に向けて、全力で取り組んでまいりました。これからも、そういたします。
きょうから高市内閣2年目の挑戦が始まります。
目下の重要政策は、世界的な物価高を受けてのさらなる対策強化でございます。
決断と挑戦、そして、実行の内閣として重要な政策転換を実行に移し、その成果を日本列島の隅々までお届けしてまいります。
もちろん国民の皆様のお手元にお届けすること、これが最優先でございます。
日本列島を強く豊かに。高市内閣のさらなる歩みに国民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
私からは以上です。
質問:冒頭の発言でもありましたけれども、改めてお伺いさせていただきます。高市内閣が発足して、今日で一年となります。この間、注力した政策とその成果をお聞きします。また、内政や外交における今後の課題をどのように捉え、取り組んでいくお考えか教えてください。
高市総理:
ありがとうございます。
ロシアのウクライナ侵略によって、エネルギーや穀物の価格高騰が生じていた中での内閣総理大臣への就任でした。
さらに本年2月には中東情勢の悪化により、エネルギーをはじめ、世界的に物価高騰は加速しました。
そのような中で、内閣の最優先課題として取り組んできたのが物価高対策です。
例えば、ガソリン・軽油の暫定税率廃止に1.7兆円子育て世帯への支援に3677億円、中東情勢を受けた燃料油補助に1兆4085億円電気ガス料金支援に1兆431億円を措置するなど、切れ目ない物価高対策に取り組んでまいりました。
また、2.1兆円措置した重点支援地方交付金に基づく措置については、これから地方自治体により執行されるものもございます。
また、1.8兆円規模の税制改正で措置した、所得税の負担軽減も納税者お一人当たり3万円~6万円を今年の年末調整でお届けします。
こうした政策の効果もありまして、物価上昇率は一年前は、+2.9%でしたが現在、G7で最も低い水準の+1.9%に抑えられています。
また、物価の伸びを賃金の伸びがどれだけ上回ったかを示す実質賃金上昇率も、一年前はマイナスでした。
直近では9カ月連続プラスで、G7で最も高い水準の1.9%になりました。
しかしながら、その成果を十分実感できてない方々が多くおられることも重く受け止めております。
特に飲食料品は一般的な物価上昇率よりも高い+3%程度で、上昇をしています。
特に低価格品への切り替えなど、節約余地の小さい低所得世帯にとっては、より大きな負担となっています。
だからこそ、切れ目のない物価高対策の手を緩めることなく、消費税支援金法案を今国会に提出させていただきました。
外交では、本年5月に進化したFOIPを発表しました。
これはエネルギーや重要物資のサプライチェーンを強化するため、パワーアジアを含めインド太平洋諸国や中東諸国との協力や連携を深めてきたものでございます。
また、日米同盟をさらに揺るぎないものとして、我が国の平和と安定を追及してまいりました。
ともに強く豊かにという方針のもと、ASEAN、APEC、G20を含む一連の外交機会を捉えて、各国との連携を深めて、国際社会の共通課題に一致して、立ち向かっていく。
そういう機運を高めて参りたいと考えております。
質問:この一年で得た教訓や反省みたいなものがありましたら教えていただけますでしょうか。
高市総理:
この一年で得た教訓や反省ですね…非常に難しいご質問です。
とにかくこの一年は国際情勢が目まぐるしく変わりました。中東情勢なんか、それもいつ出口が見えるのか分からない。
そういう状況の中で、今打てる最善の手を打ってまいりました。
ですから常に世界中の情勢、情報を、しっかりと集めて、ほぼ週に何度も頻繁に国家情報局長、また、外務省などからの説明も受けております。国家安全保障局長からの説明も受けております。
そんな中で、世界中に目を配りながら、それが日本にどういう影響を及ぼすのか、先手先手で予想しながら、政策を構築していく。
その重要性というものを十分に認識した。これまで以上に認識したということでございます。
質問:反省というのは何かお感じになることはありますか。
高市総理:
うーん。例えば物価高対策先ほど申し上げましたけれども、十分じゃないというお声がたくさんあると承知をしております。
しかしながら、昨年10月の高市内閣の発足以降、約10.9兆円の規模でございます。やれる限りのことは切れ目なくやってきている。
それにさらに今年度中に給付をっていうお声もあるんですけれども、まだすでに決めた給付が行き届いていないところもあります。
年末調整で返ってくるお金もございますので、そういうことを考えますと、皆様の大事な税金ですから、これは必要な時に、でも、本当に必要な緊要性のある時には、躊躇(ちゅうちょ)なく備費も活用させていただくということで取り組みを続けていきとうございます。
一番、今、世界各国に比べて、日本の物価上昇率が低く抑えられている要因っていうのは、これはガソリン、軽油、重油、灯油、すべてを対象にした航空機燃料もそうですけれども、この燃料油補助だったと思います。
日本で、例えばガソリンがリッターあたり170円前後というところで国によってはリッターあたり300円台後半から、時には400円を超えるというような先進国もある中で、日本というのは一番低く抑えられている。
それは回り回って、お車をお持ちじゃない方も輸送コストが下がっていたり、地域のいろんな産業で使われる油ですから、これは皆様の生活に、生活を少しでも楽にするために、貢献できていると。
本当にG7諸国の中で最も低い価格を維持しているっていうのは貢献できていると思うんですが、的確にそういった情報をお伝えしきれていないということです。
もう少ししっかりと国民の皆様への発信を強化しながら、今できること、そして、これからやることを見通していただける、そういった広報のあり方というのも考えていかなきゃいけないな。
これが反省点でございます。
質問:高市政権発足1年ということで、同時に連立のパートナーの日本維新の会との連立を組んでからの1年となりますけども、この一年間、維新の会と連立を組んでみていかがだったのかということと、今後の連立のあり方についてお考えお聞かせいただければと思います。
高市総理:
日本維新の会の皆様には感謝してもしきれないぐらいの思いを持っております。
昨年、私は自民党総裁にはなれたけど、総理にはなれないんじゃないかというような状況でございました。
もう衆参ともに自民党は少数でございましたし、そして、また、残念ながら公明党の離脱、政権離脱ということもある中で、日本維新の会が連立を組もうと言ってくださった。
しかも、連立政権合意書の中には、私自身が総裁選挙で訴えた政策、これも私の著書も含めて、また、自民党総裁選挙の時の「自由民主」に出た一人一枚ずつのスペースを賜った公約まで細かく読み込んでいただいた上で、合意書を作る作業を共にやりました。
ですから、そういったご配慮に大変感謝を致しております。
また、無駄なものはカットしていこうと、もっと有効なことに使っていこうとか、できる限り現役世代の負担を減らしていこう、こういった取り組みのエンジンになっていただいている、そのように考えています。
これからも連立政権合意書に記された内容を一つずつ実行に移していく。
そして、先般の内閣改造におきましては、初めて政務三役に参加をしていただきましたので、また、新たなスタートだと思いますので、共に責任をより重たくになっていただくパートナーとして、歩んでいきたいなそんな風に考えております。

