金メダルに最も近い山口茜「当たり前が当たり前じゃない」

11月25日、山口茜選手(23)が、バドミントンの強豪チーム「くまもと再春館製薬所」でチームメートとなる、2021年度新入団選手発表会に登場。
地元熊本のくまモンとともに、4人の新人選手を歓迎した。

現在、世界ランキング3位で日本女子シングルスで最上位の山口選手。
東京オリンピック出場を確実にしていた中で、新型コロナウイルスが感染拡大し、大会は2021年に延期。“第3波”が急速に広がっている今、山口選手から「五輪の価値観」が変わったという興味深い話を聞くことができた。

Q新型コロナが感染拡大している今、オリンピックや競技への思いは?

「この(新型コロナ感染拡大の)状況になってオリンピックに対する価値観とか、世の中のオリンピックに対する見方はすごく変わってはいると思いますし。今の状況の中でやるオリンピックはまたいつもと違うと思うので、その中でよりスポーツの素晴らしさだったり、世の中にスポーツがどれだけ重要かを感じてもらうチャンスだと思うので、そういう意味ではオリンピックも今までとは違うものなのかな、とは思います」

コロナ禍のスポーツ「やって伝えられることもある」

山口選手の中で起こった変化。

「当たり前が当たり前じゃないと言うことを痛感する期間になっているので、感謝の気持ちは大切に色んな行動していきたい。(東京五輪に出場できれば)自分が楽しむのは勿論なんですけど、より多くの方に勇気や元気を届けられるようなプレーが出来るように頑張っていきたい」

この山口選手の言葉を聞いて思い出したのが10月に行われた国際大会で語った、体操・内村航平選手の大会後のスピーチ。これは東京大会開催へ思いを込めた言葉だった。
「出来ないじゃなくてどうやったらできるかをみなさんで考えて、どうにかできるように、そういう方向に考えを変えて欲しい」
山口選手も同じアスリートとして慎重に言葉を選ぶように話してくれた。

「諦め、後ろ向きより、“どうやって”と考えて。」
19歳で2016年リオデジャネイロオリンピックにも出場した山口選手の言葉。
31歳の内村選手は、多くのアスリートが言葉にしづらいであう思いを、東京オリンピックの試金石とみられていた大会のスピーチに込めたように感じる。
スポーツの価値、スポーツに今できること。
山口選手も、静かな言葉の中に自身の東京五輪に関する思いを話してくれた。
「やって伝えられることもある」

それは、やらないと伝わらない物があると言うこと。
“第3波”に襲われている日本で、オリンピックは出来るのか?
懐疑的な意見もある中で、野球をはじめとするスポーツ界は無観客での試合から、一定の観客を入れての開催へ。
プレーも観戦方法も、一歩ずつニューノーマルへ変化している。プロ野球では福岡ソフトバンクホークスが4連勝で日本一に。屈辱を味わった4連敗の巨人。Jリーグでは川崎フロンターレが史上最速優勝を果たした。

異例のシーズンとなった中でも、選手・ファンの喜怒哀楽が詰め込まれた2020年。
バドミントンも今月21日から、全日本総合選手権を開催する。もちろん山口選手も出場予定。大会に向けては「不安はないとは言い切れないが、久しぶりにプレーで表現できると思う」と話してくれた。

チームの新入団選手も「目標は五輪金メダル」

山口選手が所属する「くまもと再春館製薬所」に来年度入団するのは、2019年世界ジュニアバドミントン選手権シングルス優勝の郡司莉子選手(18)を始め、廣上瑠依選手(18)、加藤佑奈選手(18)、金廣美希選手(18)の4人。

先輩となる山口選手は「自分はアドバイスしたり、指導したりは得意なタイプではないので、練習の姿勢・プレーで引っ張っていったり、何か感じてもらえるようなプレーが出来たらいい」と話す。
新人選手達は、「オリンピック金メダル」など大きな目標を掲げ、新たな一歩を踏み出すことになる。

郡司選手「自分のプレーで、見ている人を楽しませる選手になりオリンピックで金メダルを取りたいです」
廣上選手「2028年のロサンゼルスオリンピックで金メダルを取りたいです」
加藤選手「誰からも応援される選手となり、社会人としても日本一をとり、世界でも活躍できるような選手になりたい。
金廣選手「国内だけではなく、世界という大きな舞台で活躍し、自分のプレーで多くの方に感動を与えられるようなバドミントン選手になりたいです」

(フジテレビ報道スポーツ部・北川勝則)