2026年5月から防災気象情報の運用が変わり、避難の判断に使われる「レベル3」「レベル4」などの新しい呼びかけが始まった。河川の警報対象や線状降水帯の直前予測など仕組みが大きく変わる中、自治体では対応に悩む声も出ている。
■新しい防災気象情報のポイント
2026年5月から運用が始まった新たな防災気象情報では、避難の判断に使われる「レベル3」「レベル4」といった段階的な呼びかけが導入された。
ただ、変更点はそれだけではない。
【河川の警報対象 福島県内は6河川】
「河川氾濫」の警報が発表される対象は、福島県内では以下の6河川に限られる。
宇多川/新田川/夏井川/荒川/阿武隈川上流/阿賀川。
それ以外の河川は大雨警報などで危険を判断する必要があり、「氾濫が出ていないから安全」と思い込まないよう注意が求められる。
【線状降水帯「直前予測」がスタート】
線状降水帯については、5月から「直前予測」の運用が始まった。自分が住む場所・今いる場所の危険性を確認し、早めの行動につなげてほしい。
■福島市の対応 気象台とオンライン連携も
福島市では、この端末に出力された気象庁からの発表を住民への避難指示のタイミングを判断するひとつの基準にしている。災害の危険があるときは福島地方気象台とオンラインでつながり、解説を受けたり質問をしたりする体制も整えている。
■福島市で導入 新システム
福島市危機管理室の小澤周一課長は「水位をいちいち確かめなくても、色で判断できるような形で」と話す。
東日本台風の被害を受け、5年前に新たなシステムを導入。
一目で危険度がわかる河川水位計やSNSの情報収集システム、民間のライブカメラなどを総合的に活用し、市内の情報を集中的に把握している。
その結果、気象庁が発表する警報レベルとの間に「ズレ」が生じる可能性もあるという。
小澤課長は「最近の雨は一気に激しく降る。気象庁の避難レベルに合わせたいが、避難所を開設するまでに時間がかかるため悩みはある」と話した。
■自治体の悩み “課題なし”はわずか
新しい防災気象情報は、自治体が避難指示を出す際の目安にもなるが、運用に悩む自治体は多い。
東京通信大学特任教授で防災マイスターの松尾一郎さんによると、東京・大阪・九州などで避難指示を発令した自治体にアンケートを行った結果、「課題がない」と答えた自治体はわずかだった。
最も多かったのは『警報の切り替えや解除のタイミングが分かりにくい』という声。
松尾さんは「キキクルと実際の被害状況にズレがあったり、対象エリアが広すぎて判断が難しいなど課題は多い。洪水期が終わったら改善に向けた検討を進めてほしい」と話した。
