40席の傍聴席を求め並んだ人の列…
6年前の9月6日ー福島県の猪苗代湖で、プレジャーボートが湖面にいた3人に衝突し、当時8歳だった豊田瑛大(とよだえいた)くんが死亡。母親ら2人が重傷を負った。
当時、父親は「毎日、思い出すと地獄ですよ。あんな瑛大を見ることになるなんて」と心情を吐露していた。
業務上過失致死傷の罪に問われたのは、ボートを操縦していた佐藤剛(さとうつよし)被告。
争点は
1.湖に人が浮いていることを想定できたか
2.衝突を避けられる地点までに被害者らを人として発見できたか
2023年3月。一審の福島地裁は、禁錮2年の実刑判決を言い渡した。
ところが2審で仙台高裁の渡邉英敬裁判長は「注視していても被害者らを発見できたとはいえない」として、逆転無罪の判決を下した。
この判決を不服として検察側が上告。
最高裁は2026年9月18日、2審の結論を変更する際に必要な手続きである弁論を開いていて、無罪判決が見直される可能性があった。
これを受け、瑛大くんの母親は「わたしたちも含め、応援してくださっている方たちみなさんが納得いくような判決が出ることを本当に祈っているだけです」と語った。
迎えた10月16日の裁判。
最高裁判所の高須順一裁判長は「無罪とした高裁判決を破棄しなければ著しく正義に反する」として、禁錮2年の実刑とした1審・福島地裁の判決を維持する、逆転有罪判決を言い渡した。
閉廷後、遺族は「6年は長かったので、正直途中で諦めたり不信感だったり嫌になる時期がたくさんあった。それでも乗り越えてきて、今日の結果だったのでよかった」と語った。
一方、被告側の弁護人も取材に応え「私の立場で申し上げれば、そうした杜撰な捜査を裁判所が救済したと受け止めざるを得ない。シンプルですけれど、大変厳しい判決だと思っています」と述べた。
**判決のポイント**
【争点】
1.湖に人が浮いていることを想定できたか
2.衝突を避けられる地点までに被害者らを人として発見できたか
1審ではどちらも認め佐藤被告の過失を認めていたが
一方2審では、目印や動きもなく人が浮かんでいることを想定するのは相当に困難であるから発見することはできないとしていた。
【最高裁はどう判断したか】
事故現場付近は「人の存在を想定できる水域である」として「浮遊物が見えたら人でないか確認すべき注意義務がある」、さらに2審の認定内容は「発見できなかった可能性がある」ことの指摘にとどまり1審の認定が不合理であるとまでは言えないと評価した。
判決文には「無罪判決を破棄しなければ著しく正義に反する」と強い言葉で指摘し裁判官全員一致の意見と記された。禁錮2年の実刑とした1審の福島地裁判決が確定することになる。
