マイページ

【解説】緊急地震速報なぜ“誤報” 気象庁「原因調査中」「サイバー攻撃ではない」 M9.9 は地震学的に考えにくい “観測網”外の地震も影響か

Google ニュース プリファードソース

気象庁は、16日午後0時40分に千島列島を震源としたマグニチュード9.9と推定される巨大な地震が起きたとして、北海道から東海にかけて広い範囲で緊急地震速報を発表し、8分後に取り消しました。

16日に起きた緊急地震速報の誤報について、災害対策チームの風巻隼郎記者と見ていきます。

遠藤玲子キャスター:
気象庁は午後に会見を行い、今回の誤報について説明をしました。気になる原因についてはどのような説明がありましたか。

災害対策チーム・風巻隼郎記者:
詳細の原因については調査中としていて、分かり次第、速やかに発表するということですが、緊急地震速報を出すまでの過程で、予測されるマグニチュードを過大に評価してしまったとしています。
また、最近気になるサイバー攻撃について、外部からのサイバー攻撃ではないと発表しました。そのうえで、現在は問題なく緊急地震速報のシステムが運用されているということです。

山﨑夕貴キャスター:
やはり最近、不正アクセスが相次いでいますし、本当にサイバー攻撃じゃないのかなって不安に思ってしまう気持ちもあるんですが、それは確かだということでいいんですか。

災害対策チーム・風巻記者:
気象庁によりますと、当該時間帯に外部からのアクセスはないことが確認されているとして、サイバー攻撃ではないことは断言していました。

今回の会見でも、気象庁は原因は究明中としていますが、観測設備などの装置のハードウェアが原因ではなく、ソフトウェアの情報を処理する段階で何か問題が起きた可能性を指摘しています。

こうした緊急地震速報の誤報というのは過去にもありました。

まず2020年7月、関東から東海にかけて緊急地震速報を発表したんですが、実際には震度1以上を観測した場所はありませんでした。

ただ、この時はほぼ同じ時刻に伊豆諸島の鳥島近海でマグニチュード5.8の地震が発生し、この地震を房総半島沖でマグニチュード7.3の地震と誤って推定しました。

緊急地震速報がこの時、出されてしまったということで、交通機関にも影響を与えました。

さらに、2013年8月にも和歌山県でマグニチュード7.8の地震と緊急地震速報が出たんですが、この時、実際にはマグニチュード2.3と推定される地震が発生しました。

この時の原因としては、データ処理の不具合で大きなノイズが発生して、地震の揺れとして計算してしまったと後日、発表されました。

過去にも同じような誤報はあったんですが、今回の緊急地震速報はマグニチュードが9.9、そして震源の深さが約140kmということでした。

しかし、実際にはマグニチュード6.9、そして、震源の深さは約160kmの地震が発生したということでした。

遠藤キャスター:
石渡さん、ちょうどお昼時でしたけど、緊急地震速報が鳴った時は身構えましたよね。

石渡花菜キャスター:
まず、音が大きくてビックリしましたし、私が経験した中でも東日本大震災のマグニチュード9.0だけだったので、9.9ってどんな地震なんだって、不安もありましたし困惑もしました。

遠藤キャスター:
聞いたことのないマグニチュード9.9ということでしたが、実際9.9というのはあり得るんでしょうか?

災害対策チーム・風巻記者:
実際に、もしマグニチュード9.9だとしたら、これまでの観測史上で起きた地震の中で最も大きな地震になります。これまで最も大きな地震というのは、マグニチュード9.5を観測した1960年に発生したチリの地震です。日本国内で観測史上最大規模とされた東日本大震災でもマグニチュード9.0でした。
16日の会見でも、マグニチュード9.9というのは、地震学的に“なかなか厳しい”と表現されていて、つまり考えにくいということでした。
ただ、今回の震源とされたエリアであるカムチャツカ半島付近では度々、巨大地震が起きている場所であることも事実です。

遠藤キャスター:
実際に2025年もカムチャツカ半島付近で地震がありましたし、頻繁に起きている場所ではあるけれど、9.9というのは、地震学的にはなかなかない数字だということでした。
そして、今回の緊急地震速報の解除に至った理由についても言及がありました。

災害対策チーム・風巻記者:
緊急地震速報後に大きな地震が来るわけですが、地震の揺れは初めに早いスピードで来る「P波」。そのあとに比較的な大きな地震となる「S波」があります。緊急地震速報というのはP波の揺れから地震の規模を計算して、緊急地震速報を出します。
今回はその後に来るS波の揺れがかなり小さかった。明らかにマグニチュード9.9の予測よりも小さく、明らかに過大だったと分かったことから、すぐに緊急地震速報を取り消したということです。

山﨑キャスター:
今回、過大な評価になってしまった原因は調査中ということですが、正確な予測は技術的に難しいんでしょうか?

緊急地震速報を観測するための体制を見ると、日本の陸地部分と主に太平洋側を沿うようなっています。

陸地と太平洋側沿い、また三陸沖には、観測体制が非常に重点的に敷かれているんですけれども、今回のエリアというのは観測体制が敷かれていなかったということです。

遠藤キャスター:
観測体制の一番北でも根室付近までですが、そこまでは観測体制があったということなんでしょうか。

災害対策チーム・風巻記者:
気象庁などの日本の観測エリアは根室付近までで、今回の震源はかなり遠方になりますので、地震観測体制に限界があるというところは思われます。

遠藤キャスター:
震源の観測体制がそれほど敷かれていない場所だったということですね。
そして、皆さんも驚いたと思いますが、緊急地震速報の約8分後に取り消しの速報がありました。さらにもう1回、緊急地震速報の音が鳴ったということなんですが、室岡さんこれは今までなかったですよね。

室岡大晴キャスター:
なかなか取り消しというのが聞いたことがなくて、なかなか揺れないし続報もないなっていう中で、また同じ音が鳴って、続報来たかなと思ったら取り消しということで、同じ音というのにもびっくりしました。

遠藤キャスター:
この取り消しについても、会見で言及がありましたよね。

災害対策チーム・風巻記者:
そもそも取り消しは最大震度が2以下の場合、そして他の原因で緊急地震速報が出てしまった場合に出されるものです。今回は最大震度が1だったので取り消しが出されました。
音については会見では、今の時点では検討していないとあり、今度の課題の1つかなと思います。

そして、気象庁は、原因がまだ分からず、分かり次第、改めて発表するとしていますが、誤報を防ぐためのプロセスの見直しも、今後、検討していただきたいと思います。

関連記事
最新全国ニュースの他の記事
【中継】簗氏辞任受け高市総理を追及 辻元氏「なぜかばい続けたのか」
【中継】簗氏辞任受け高市総理を追及 辻元氏「なぜかばい続けたのか」
政治
「きょうまで生きていました」“母親”遺体を自宅に放置か 53歳の男逮捕 「数年前から安否確認取れない」市が警察相談 群馬
「きょうまで生きていました」“母親”遺体を自宅に放置か 53歳の男逮捕 「数年前から安否確認取れない」市が警察相談 群馬
社会
アライグマ急増の埼玉「保育士ハンター」が毎朝見回り きっかけは「勤務先にアライグマ出没」畑被害や園児に危険も
アライグマ急増の埼玉「保育士ハンター」が毎朝見回り きっかけは「勤務先にアライグマ出没」畑被害や園児に危険も
社会
タイ王妃が王室専用機を自ら操縦し来日 客室乗務員出身で軍入隊後にパイロット免許も 戦闘機を操縦した世界初の王妃
タイ王妃が王室専用機を自ら操縦し来日 客室乗務員出身で軍入隊後にパイロット免許も 戦闘機を操縦した世界初の王妃
国際
一覧ページへ
×