「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長が射殺された事件の裁判で、京都地方裁判所はきょう=16日、殺人などの罪に問われている特定危険指定暴力団・工藤会系組幹部の田中幸雄被告(59)に対し、「無罪判決」を言い渡しました。
判決の様子を、関西テレビ・石田聖乃記者が中継で報告しました。
■判決の瞬間の田中被告の様子は…
判決を言い渡された瞬間、田中被告は落ち着いた様子で2、3度うなずき、弁護人の方に頭を下げる様子が見られたということです。
【石田聖乃記者】「(無罪判決の)理由の1つとして、冒頭で明らかにされたのは、大きな争点の1つとして検察があげた間接証拠『たばこの吸い殻』について、他の日に捨てられたり、第三者により持ち込まれた可能性が排斥できないということでした」
■田中被告は「終始落ち着いた雰囲気」
初公判から傍聴していた石田記者によると、田中被告は「終始落ち着いた雰囲気」だったということです。
【石田聖乃記者】「これまで裁判を傍聴してきて、田中被告は傍聴席に目を向けたり、証拠資料に目を通したり、弁護士に何か質問するような様子があったりと、終始落ち着いた雰囲気が見られました。
きょうも判決が言い渡される前には、傍聴席の誰かにうなずくような仕草を見せたりと落ち着いた様子で、判決が出た際も極めて落ち着いた様子を見せていました」
裁判の中では、ほかの裁判と比べて印象的だったことが2点あったといいます。
【石田聖乃記者】「1点目は、途中で証言を拒否して被告人質問が取りやめになったということです。そして、もう1つは、今回殺人罪について審理しますので、本来であれば裁判員裁判になるところ、安全上の配慮から、裁判官のみで審理されたという点になります」
■事件とこれまでの裁判の経緯は…
事件があったのは2013年。
王将フードサービスの社長だった大東隆行さん(当時72)は日課である会社の前の掃除中に銃で撃たれ殺害されました。
事件から9年後、田中幸雄被告(59)が殺人などの罪で逮捕・起訴されました。
裁判の争点は“犯人性”で検察側は現場から田中被告の唾液が付着したタバコの吸い殻が見つかったことなどから、現場に被告人以外の人物がいたことをうかがわせる証拠はなく、現場から逃走した原付バイクに乗っていたのは一人とみられることから、田中被告が犯行に及んだことは明らかであると指摘していました。
また、今回の裁判は殺人罪が問われているものの、一般の市民が審理にあたる裁判員裁判ではありません。
裁判員に危害が加えられる恐れがある場合は除外となり、京都地裁は「対象から除外する」としていて、弁護側が抗告したものの、最高裁が裁判官のみでの裁判実施を決定していました。
その法廷で田中被告は意見を述べる機会で無罪を主張。
初公判の罪状認否では「私は決して犯人ではありません。『決して』がつきます。任侠の志として濡れ衣の一つや二つ甘んじて受け入れます。だからと言ってセンセーショナルな事件まで到底承服できない」と。
さらに結審した際、裁判長に言いたいことはないか問われると「お一人お一人の肩をつかんで『私は犯人じゃなかとばい』、失礼しました。私は本当は犯人じゃありません!と伝えてまわりたいです!」と語気を強めました。
一方で、検察官や裁判官などからの質問を受ける「被告人質問」では供述を拒否し実施されませんでした。
■遺族「被害者遺族が求める厳しい処罰感情に応える処罰を」 検察側は無期懲役求刑
大東さんの遺族は被害者参加制度を使い裁判に参加。
意見を検察官が読み上げる形で述べました。
【遺族の意見陳述(検察官が代読)】「被害者は大切な夫であり、頼れる父親、優しいおじいちゃん 家族の中心だった」
「被告は罪を認めず、反省の弁も無い。被害者遺族が求める厳しい処罰感情に応える処罰を望みます」
検察側は「被告人は責任を素直に認めようともしない」「反社会性は大きい」と無期懲役を求刑していました。
また、判決には、一般傍聴席数45席に対し、155人が並んだということです。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年10月16日放送)
