網の上で焼かれる大ぶりのホタテ。
肉厚でプリプリの身と、バターの香りが食欲をそそるホタテのバター焼きです。
15日の朝からにぎわっていた東京・築地の海鮮バーベキュー店「甲羅組 築地2号店」では、焼きたてのホタテに舌鼓を打つ外国人観光客の姿が見られました。
この日本人にも外国人にも大人気のホタテが、今、大きなピンチに直面しています。
海水温の上昇などの影響で稚貝が死んでしまうなどして、近年不漁が続いているホタテ。
全国トップクラスのホタテの産地・青森県では、ピーク時に10万トンを超えていた水揚げ量が年々減少し、2025年度は1万9553トンにまで落ち込みました。
2026年度は2025年度をさらに下回り、1万トンに届かない可能性もあるとみられています。
影響は、青森直送の新鮮な海鮮料理が味わえる東京都内の居酒屋「炉端と和酒と青森 あかきんぎょ」にも及んでいました。
あるはずのホタテ料理が見つかりません。
メニューには大きな×マークがつけられ、店の名物でもあるホタテがメニューから消えていました。
あかきんぎょ・菅野昌宏代表:
ホタテは仕入れができないので出してない。1年以上前から全然止まって、少し復活した時期もあるんですけど…一番の名物でホタテを出していたので困ってます。
この店で以前、名物のホタテを食べたことがあるという男性は「すごくおいしくて最高でした。もう一回食べたいなという思いがあるので、復活してほしい」と話しました。
青森産のホタテは程よいサイズで、うまみが強いのが特徴だとか。
店内にいた女性グループも「寂しいですね。普通にあるものだと思っていたから…」「めちゃくちゃホタテ食べたかったですね」と残念がっていました。
あかきんぎょ・菅野昌宏代表:
「うちのホタテがおいしいよ」ということで、(別の客を)連れてきてくれることはよくはありました。もう少し時間かかると思うけど期待しています。
ホタテの仕入れがない状況を受け、店はホタテの代わりに青森県産のムール貝を用意しています。
あかきんぎょ・菅野昌宏代表:
代わりのものありますかということで、ホタテ漁師から紹介していただいて、ムール貝をことしからやっている。
ムール貝はアヒージョにしてパンとともに提供。
身はやわらかく、うまみも抜群だといいます。
客からは「身がすごくプリッとしています。ツルンとしていておいしい」「鮮度も良くて臭みもなくおいしかった。白ワインとバッチリ!」といった声が聞かれました。
ホタテの不漁に見舞われているのは青森県だけではありません。
ホタテ養殖が盛んな北海道・小平町でも状況は深刻だといいます。
鋭い歯を持つマフグが増加し、稚貝を食べたり網をかみちぎったりする被害が相次ぎ、地元漁協のまとめによりますと、2026年の被害額は少なくとも4億円以上に上るということです。
ホタテ不足の影響は、店頭価格にも表れています。
北海道産の刺し身用生ホタテは仕入れ先の市場にもないことが多く、以前は400円ほどだったものが約1.5倍に高騰しているといいます。
新鮮市場 東本郷店・飯田智成店長:
ことしは本当とれる数が少ないので値段も上がっている。ものは良くても爆上がり。(税抜き)599円でギリギリなので、通常だと多分もう1000円近くになってる。ちょっと手に取りづらい価格になってる。
身近なごちそうを口にする機会はさらに減ってしまいそうです。
