静岡県静岡市が清水港に計画していた海洋文化施設の仕切り直しが決まりました。開会中の静岡市議会で白紙化が正式決定し新たな計画案の策定が進むなか、周辺では民間の水族館も整備される予定です。海洋文化施設の今後はどうなるのでしょうか。
議長:
異議はありませんか。異議なしと認め、議案第215号 他2件は可決することに決定しました
9月、静岡市議会で白紙化が正式に決まったのが、静岡市清水区の「海洋文化施設」計画です。
計画が発表されたのは2017年。当時見込んでいた整備費用は94億円でした。しかし、物価高や人件費の高騰で総事業費が約70億円増えることが判明します。
運営を担う特別目的会社は「事業の継続は困難」と判断。約半年の協議を経て、静岡市が解決金として約1億8200万円を支払い、契約を解消することで合意しました。
静岡市・難波喬司 市長(9月18日):
物価高騰になったので、それに対応できる契約書の内容であればよかったが、もともとの契約内容が大幅な物価高騰を想定している契約になっていなかった。想定していなかった
9月29日の静岡市議会。白紙化の一方で、難波市長は整備計画の継続を強調します。
静岡市・難波喬司 市長(9月29日):
今回の契約解除に至っても、海洋文化施設を整備する必要性はある。海洋に関する情報を楽しみながら学べる場を作ることで、次世代の人材育成と地域経済の活性化につなげることは静岡市政が担うべき重要な役割
100羽ほどのケープペンギン。中には生まれたばかりの子どももいます。
このペンギンたちが育てられているのは、東伊豆町のアニマルキーパーズカレッジです。
この学校や河津町の体感型動物園 iZooなどを運営しているレップジャパンが、2029年に清水港周辺で開業を目指しているのが水族館「ZooZooSea」です。
このペンギンたちを展示の目玉にしたいと考えています。
レップジャパン・白輪剛史 社長:
特にペンギンは繁殖コロニーとしては日本最大規模を作ろうとしていて、最低でも120羽以上のペンギンが飼育・繁殖のために、ケープペンギンを40mのプールで飼育するということを考えている
一方、静岡市は事業者側と約1億8000万円の解決金を支払うことで合意し、今の計画での白紙化が決定。ただ、難波市長は施設そのものの建設は諦めていません。
静岡市・難波喬司 市長(9月18日):
海洋に関する学びや研究成果を広く発信できるし、海があるところのすぐ近くにミュージアム・水族館があり、そこに人が訪れるので、経済効果も非常に期待できる。その両面で海洋文化施設そのものは整備・運営する必要は今も変わらない
市は、今後は「公設民営」の考え方で、可能な限り市の負担を減らしながら進めていく方針です。ただ、規模はこれまで予定していたものの半分以下になる見通しです。
民間の水族館建設計画が進む中で発表された白紙化と再スタート。白輪さんは、冷静に受け止めています。
レップジャパン・白輪剛史 社長:
建設費の高騰で現実味を超えてしまったようなところがある。白紙にするという流れは聞いていたので、あまり驚きもなく、当然の流れなのだろうなと思って受け止めた
また、規模が縮小してでも施設ができることで相乗効果が生まれると考えています。
レップジャパン・白輪剛史 社長:
縮小してでも新しい施設ができるのであれば、本当にありがたい。2つの水族館が隣同士で並ぶ、日本では類のない本当に珍しい形態。その中で両方が切磋琢磨し、共同でいろんなことができる。期待大だなと思っている
再びスタートラインに立った海洋文化施設の計画に地元住民の受け止めは様々です。
女性(60代):
あまり“箱物”ばかり作ってもらっても。その後の維持が難しいのでは。今回のことだけではなくて、いろいろな所で何年も続いているが、意外と“箱物”は作った後 維持するのはとても大変。いま清水にはあれ(必要ない)かなと
女性(70代):
(Q.清水のにぎわいは?)全くない。寂れて寂れて・・・昔のことを思えばこれ以上良くならないのでは。(施設は)あればあったらいいのでは
女性(30代):
日本平動物園とかしかないのでうれしい。触れ合えるところがあるんだったら
女性(40代):
子供が遊ぶところも少ないのでぜひ欲しい。サッカー場(スタジアム)もゆくゆくはできてくるので、流れが出来て経済効果も生み出して活性化すればいいなと
新たな海洋施設の計画へと歩みだした静岡市。
清水港周辺の賑わい創出へ、新たな計画案は2027年1月に示される予定です。
