2026年9月、福島県郡山市で新たな取り組み「共同保育」の試験実施が始まった。
共同保育とは、保育園の利用が少ない「土曜日」や「お盆」「年末年始」などに複数の園が連携し、園児を1つの施設に集めて保育を行う仕組みだ。
■広がる子どもの世界
郡山市内の4つの施設(エムポリアム並木保育園、スギナ保育園、のびのび学園、つばさ保育園)が参加し、2027年春の本格実施を目指して9月に計3回の試験が行われた。
保護者からは
「初回は泣いたり騒いだりするかと思ったが、2回目以降は落ち着いて過ごせた。他の園の子と交流できるのも良い」
「子どもがいろいろな環境に順応する経験になる」
といった声が寄せられた。
この日は4つの園から43人の子どもたちが集まり、初めて会う友達とも自然に遊び始める姿が見られた。
■保育士の学びの場としても
一方、先生たちもそれぞれの園から集まり保育を担当する。おやつの時間や食べさせ方など、園ごとに細かな違いがあり、初日は戸惑いもあったという。
保育士からは
「園ごとのやり方の違いを話し合いながら進めた。回数を重ねるうちに先生同士も子ども同士も顔を覚え、今は楽しくできている」
「他園のやり方を知ることで、自分の園の保育を見直すきっかけになっている」
といった声が上がった。
保育士の負担軽減を目的に始まった共同保育だが、先生たちにとっては新たな学びの場にもなっている。
郡山市保育園協会の國井隆介会長は「他園の保育を知ることは保育士の質の向上につながる。職員同士の研修の場としても活用できる」と話す。
■専門家「親にとっての予行練習」
YouTube登録者数約61万人、12人の子どもを育てる助産師・HISAKOさんは、共同保育を「子どもを知らない世界へ送り出す予行練習」と捉える。
「地域の人たちが子どもを愛情を持って見守ってくれる『地域総育児』を感じられる良い機会。ママたちにも前向きに捉えてほしい」と話した。
一方で、環境の変化に敏感な子どももいる。HISAKOさんは、その子に合わせた“安心できる方法”を用意することが大切だとする。
【気持ちを肯定する】「行きたくない」と言ったら「そうだよね」と受け止める
【見通しを持たせる】園の一日の流れを聞き、迎えまでのイメージを持てるようにする
【安心のお守りを持たせる】お気に入りのタオルや本など「これがあれば安心」というものを持たせる
郡山市では、今回の試験で見えた課題や効果を踏まえ、2027年春の本格実施に向けて準備を進めていく。
