福岡県議会自民県議団の金銭授受疑惑で新たな展開です。
現職県議がゴルフ代など総額1000万円を負担していたと実名で告白。さらに事の発端となった吉松源昭県議が1000万円の出金記録を“新証拠”として第三者委員会に提出しました。
■ 現職の県議が実名で告白 「応じなければ議長就任は危うかった」
実名で“公表”したのは現職の樋口明県議で、議長就任前に複数の会合に関して費用を全額負担していたと明かしました。
樋口県議は、「蔵内会」という自民党県議団幹部によるゴルフ会や、他会派も交えた「マスターズの会」への参加時に生じた費用の全額負担です。
「マスターズの会」には参加していないにもかかわらず、旅費とゴルフ代として300万円を負担するなど、総額は1000万円に上るとされます。
【自民党県議団 樋口明県議】「もし私が応じなければ、おそらく議長就任、議連の会長や県連幹事長就任は危ぶまれた」
■ 吉松県議が通帳記録を公開 「払った払ってない」の争いに客観証拠
一連の疑惑を最初に告発した吉松源昭県議は、今週、“新たな証拠”を公表しました。
自身の銀行通帳に残された現金の出入り記録です。
【福岡県議会 吉松源昭県議】「令和元年(2019年)の10月11日に、私の通帳に振り込みがありまして、貸してくれる人が1000万円振り込んでくれまして、その4日後の10月15日、まさに中尾議員から『明日持ってきてね』と言われた日に出勤したということです」
2019年10月15日という日付は、中尾県議(当時)から「明日持ってきてね」と告げられたとされる日と一致。
以前に公開された音声データにも中尾議員(当時)とされる人物との同じ趣旨のやり取りが残っていて、通帳記録はその裏付けとなり得ると主張します。
銀行の窓口で出金した1000万円は、紙袋に入れて議員控室のロッカーで保管したと吉松県議は説明しています。
【吉松県議】「払った払ってないというようなものの場合は、実際に通帳でのお金の動きが、裁判では大きな証拠になるらしい。そういった意味では、第三者委員会で大きな証拠と扱っていただけるものと思う。
客観的な証拠が出てきたわけですから、『もらっていない』と言われるほうは、もらっていないという証拠を出さないといけないと思う」
この通帳の記録はすでに第三者委員会に提出されたということです。
一方、金銭を受け取った一人とされる松本国寛県議は疑惑を改めて否定しています。
【自民党県議団 松本国寛県議】「終始一貫申し上げておりますけども、私はその事実はありません。
お金の流れについて、(吉松県議が)自分で資料が見つかったという話であって、翌日私に渡したということとは別の話なんだと思います」
また、1000万円を要求したとされる中尾前副議長や、蔵内勇夫前議長は取材に応じませんでした。
■ “裏アカ”投稿が発覚 誤投稿で身元が露見した林県議
疑惑に絡んだ別の“混乱”も。
ことし8月、当時の蔵内議長に対する辞職勧告決議案の採決中止を求める緊急動議を提出した自民党県議団の林泰輔県議が、SNS上で匿名アカウントを使って、告発した吉松県議らに対する攻撃的な投稿を繰り返していたことが明らかになったのです。
アカウント名は「みみず屋さん」。
林県議は自身の身元を隠したまま投稿を続けていましたが、吉松県議に関する内容を誤って自身の実名アカウントに投稿してしまったことで発覚しました。
【林県議】「僕ちょっと、朝やっちゃったんでですね。その投稿をしたんで、『これはふさわしくない』とすぐ消して」
「すずみ屋さん」のアカウントを使った理由として林議員は「影響が小さいので…。本人にストレートに伝わるかなと(考えた)」と説明しています。
この問題を受けて提出された林議員への問責決議案は賛成多数で可決。林県議はSNS上での行為を「Xという空間にのまれ、著しく冷静さを欠いた精神状態にあり、自らの弱さを痛感しております」と述べ、自民党県議団を離脱。1人で活動していくとしています。
■ 第三者委員会の限界と 来春の統一地方選
林議員のSNSでの“攻撃”について、元毎日新聞記者でノンフィクションライターの石戸諭氏は番組内でこう指摘しました。
【石戸諭氏】「そもそも政治家がやってることですから、県議同士の話なんだから、自分たちで堂々と言えばいいんじゃないですか。 林さんは林さんで吉松さんに対して、例えば『やったことがおかしいんだ』と、『告発の仕方が違うと思うんだ』と言えばいいのに、“裏アカ”わざわざ使いますかって話です」
そして“金銭授受疑惑”そのものについては第三者委員会が調査を進めていますが、来年春に統一地方選(県議会議員選挙は2027年4月)が予定される中、ような形で結論が示されるのかが注目されます。
第三者委員会は弁護士などが調査を担い、捜査機関のような強制力は持ちません。相手が証言を拒否した場合などに調査が行き詰まる可能性も否定できません。
その上で第三者委員会の動きは、統一地方選挙に大きな影響を及ぼすことが考えられると指摘します。
【石戸氏】「実効性に関しては、強制力は確かにない。今回に関しては、実効性以前の問題で、仮に出るとしてもタイミングです。来年の3月、(統一地方選挙の)直前に出れば出るほど、自民党に関しては、どんな報告であっても、かなりの逆風になることは間違いない」
また、石戸氏は「自民党か非自民かという構図に完全に持ち込みやすい。どんな中間報告にしても、出てきたときには明らかに自民党には逆風」と分析しました。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年10月2日放送)
