会計不正や品質不正の問題が明らかになった京都市に本社があるモーター大手の「ニデック」はきょう=30日、ことし3月までの1年間の決算を発表しました。
一連の問題に伴う損失として、当初の想定を大きく上回る約6321億円を計上し、約5646億円の最終赤字となりました。
ニデックをめぐっては、グループ内で収益を過大に計上したり損失の計上を先延ばしにしたりするなどといった不正が見つかったほか、一部の製品で顧客に無断で設計を変更するなどの品質不正も明らかになっています。
一連の問題を受け、会社は「業績への影響を精査する必要がある」として、去年4月~ことし3月までの1年間の決算や財務諸表などをまとめた「有価証券報告書」の提出を延長し、期限となるきょう=30日、財務省関東財務局に提出しました。
ニデックは当初、一連の問題に伴う損失の規模は約2500億円と見込んでいましたが、有価証券報告書によると、非金融資産などの見直しを幅広く行った結果、最終的に総額で6321億3500万円の減損損失を計上したということです。
これに伴い、ニデックのことし3月までの1年間の連結決算は、営業収益が2兆7087億500万円・5646億2400万円の最終赤字となりました。
なお、今回の有価証券報告書について、監査法人は「財務諸表に対する意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手することができなかった」として、監査意見を表明しない「意見不表明」としています。
「会計不正について最も責めを負うべき」と指摘のニデック創業者・永守氏は未だ公の場での説明なし
会計不正の問題について弁護士などで作る第三者委員会は、ニデックの創業者である永守重信氏の関与について「会計不正を指示・主導した事実は発見されなかった」としつつも「会計不正は、いずれも強すぎる業績プレッシャーを原因として引き起こされていて、その起点となっていたのは、永守氏である」と報告書で指摘。
「一部の会計不正を容認したとの評価は免れない」としたうえで「会計不正について最も責めを負うべきと言わざるを得ない」と結論付けています。
その永守氏は、去年12月に代表取締役グローバルグループ代表を辞任。
非常勤の名誉会長となっていましたが、会計不正に関する調査結果がまとまる直前の2月26日、突如名誉会長の座からも退きました。
その際、永守氏は「ニデックを再び輝く企業集団へと再生させるために自らができることは何でもするとの強い覚悟から、名誉会長の職をも辞することとし、名実ともにニデックから完全に身を引くことを決断」「潔く道を譲り率先してその範を示すことが、未来に対する最後で最大の責務と確信した」などとコメントを発表するのみで、いまだ公の場での説明がない状況が続いています。
また、その後発覚した品質不正の問題も含め、きのう=29日付けで退任した岸田光哉社長は今月4日の記者会見で「企業風土の部分で会計(不正)から品質(不正)につながっていく要素がみられる」と話し、いずれの問題も永守氏を起点として引き起こされたとの認識を示していました。
