2026年6月に福島市で実施された緊急銃猟。事業所や住宅地で立て続けに男女4人を襲ったクマは、工場のなかに居座った。福島市が緊急銃猟に踏み切ったものの、麻酔はうまく注入されず30時間を超えるこう着状態のすえ、クマは窓のカギを開けて建物から逃げ出した。
福島市のアドバイザーとして、この緊急銃猟に携わった福島大学の望月翔太准教授は「建物の中」という特殊な状況での緊急銃猟の難しさを指摘する。
「どこで撃ったらいいのか、どのタイミングで撃ったらいいのか、これが建物の中だと非常にわかりづらいというのがある」と話す。
また窓のカギを開け逃げたことについては「もともとクマ自体は、非常に学習能力も高く知能があると言われている。長期的な記憶能力もあり、空き家や工場などで一回経験したことがあると、成功体験を覚えている」と説明した。
福島県内では2026年に入り924件のクマの目撃情報が寄せられていて、人身被害も10件に上っている。
望月准教授によると、2026年は夏の暑さが比較的落ち着いていたため木の実の生育が良く、クマにとっての食べ物が山に豊富にあることから、これから人里での出没は少なくなる予想。
しかし、リスクはゼロではない。
望月准教授は「山の中はまさにクマの住処。そこに関しては、例年通りクマ鈴やラジオ、クマ撃退スプレーをしっかりと準備したうえで自然を楽しむ。街なかに出てくるクマは人里付近を生活圏としていて、例えば柿の木、栗の木、クルミとかを覚えているクマたちは一定数いるので、それらに対する警戒というものは解かない方がいい」と話した。
本格化する秋の行楽シーズン、美しい景色だけでなく周囲への警戒も必要となる。
