岩手県奥州市の商業施設で、一部の中学生による騒音や迷惑行為が改善されなかったことから、中学生のみでの入店を禁止する異例の措置が取られた。施設側は学校への指導依頼や警察への相談などを続けてきたが効果がなかったとしている。現在は迷惑行為が解消され、店舗側は今後、措置の見直しも検討するとしている。
商業施設で「中学生の入店お断り」の注意書き
これは、実際に店内に張り出されていた注意書きだ。

中学生の皆様へと題して、保護者同伴でない中学生の敷地内・店内への立ち入り禁止と書かれている。

入店禁止の張り紙が貼られているのは、岩手県奥州市にある「コープアテルイ」だ。

大きな駐車場が併設され、飲食料品を扱うほかにも、ゲームセンターなどが入る商業施設だ。

店を運営するいわて生活協同組合によると、2025年の夏ごろから一部の中学生グループが、フードコートで大音量で音楽を流すなどの迷惑行為を1年以上にわたり行っていたという。

中には注意をした客に対し暴言を吐く生徒もいて、休日を中心に繰り返されたというのだ。
「放置すれば重大事故や事件に…」最終手段の“お断り”
なぜ中学生はこの場所に集まっていたのか。

近隣住民は直接、迷惑行為を目にしていないというが「スーパーなんですけど、上にはゲームコーナーとかもあるから、集まる場所っていうのかな。田舎だから、仲間同士で集まってするところがない。お店とかあるし集まりやすいのでは」と話す。
一方、実際に迷惑行為を見かけた人たちは次のように話す。

近隣住民:
中学生か高校生4人ぐらいの集団だったんですけど、ちょうど誘導されて『出なさい!ダメだ!』とかっていうのは立ち会ったことがある。2階で休憩しているときに。お茶とかお水とか飲むところがあるんですけど、それが一気になくなっちゃったんですよ、そのせいで。いたずらしたり、マイポットみたいなのを持って、それに注いで持って帰る人がいる。
近隣住民:
土日が多いみたいですけどもね、中学生集まってくるのは。中学生同士でじゃれ合ってみたり、ちょっとそれが度が過ぎてけんかになったりとか。
中学生の行為を見かねて注意したことがあるという。
近隣住民:
少し周りを考えて静かにしろって注意したことはあります。いったんは静かになるときもあるし、逆に『何?』っていう態度で来るときもあるし。

こうした騒音や暴言を受け、店舗を運営するいわて生活協同組合は、「放置すれば重大な事故や事件に直結しかねない状態でした」と番組の取材に応じた。

市内の中学校などに生徒への指導を依頼してきたが、1年以上にわたり改善が見られず、安全確保のため、8月から中学生のみの入店を禁止にした。

店側が生徒の入店をお断りした例は他にもある。

福岡県内の大手ファストフード店は2025年、中学生たちが店内で騒ぐなどの迷惑行為をしたとして、複数の学校の生徒を入店禁止にした。
店から連絡を受けた学校が生徒を指導するなどし、改善されたという。
「建造物侵入罪が成立する」専門家が指摘する法的効力
店側が客に対して行う入店お断りの効果について法律の専門家は次のように話す。

橋下綜合法律事務所 溝上宏司弁護士:
入店禁止には有効な効力があるというふうに考えるのが一般的だと思います。立ち入り禁止されているにもかかわらず、それを破って入ってしまうと、法的な話をするならば原則的には建造物侵入罪のようなものが成立することになるのかなというふうに思います。入るときには問題なかったんだけれども、途中で保護者が同伴ではなくなったので、店舗のスタッフさんの方で保護者の方が同伴でないのであれば退店してくださいと言ったんだけれども出て行かないということであれば、不退去罪が成立することはあり得るかなとは思います。

では、一部の中学生による迷惑行為がきっかけで、全ての中学生を入店禁止にすることは問題ないのか。

今回の岩手県のスーパーの場合、店舗側は迷惑行為をした中学生への個別の注意、警察へのパトロールの要請、近隣中学校に指導の依頼などの対策をとってきたが、1年以上にわたり改善されなかったことについて溝上弁護士は次のように指摘する。

橋下綜合法律事務所 溝上宏司弁護士:
中学生の子どもたちが、お客さんで来て店内に居座って、場合によっては地面に座り込んで大きな声で騒いでいて、他のお客さんに迷惑になっているというきっかけの部分が、まず正当な目的が認められるであろうというのがあります。しかもその迷惑を改善するためにいくつか手当てを打ったんだけれどもどうも有効ではなかった、やむを得ずこういった一律禁止の手段をとったんだというふうなところもあるので、手段選択としての合理性も十分認められると思います。

今回の件について、奥州市教育委員会は「コープからの通知を受け、各学校では全校集会や各学級で今回のケースを通じた指導をしています。また、学校だけでなく家庭でも子どもたちを見守っていきましょうと呼びかけています」と回答した。

いわて生協によると、現在は店内の迷惑行為が解消されて、安全・安心な環境へと改善が見られるという。

さらに、中学生の入店お断りについて、いわて生協は「早期解除を含めて適切な見直しを行っていく」ということだ。
(「イット!」9月24日放送より)

