俳優の北村匠海さんが主演を務める冬の新潟を舞台にした映画が9月25日に公開される。手がけたのは、新潟県出身の映画監督・内山拓也さん。映画にかけた思いやその舞台裏に迫った。
■初の商業長編映画作品で新人賞総なめ!
「当然、新潟で撮る以外の選択肢がないので、自伝的な内容で、そこに根ざした自分が書いて、撮ろうとしている以上は、新潟の中でしか紡げない話だった」
新潟県出身の映画監督・内山拓也さんがこう語るのは、自身がメガホンをとった映画『しびれ』について。
北村匠海さん演じる貧困と孤独の中で居場所を探す息子と宮沢りえさん演じる母の親子の愛を自伝的に描いた作品だ。
この作品を手がけた内山監督は34歳。
10年前に手がけた初の映画作品『ヴァニタス』で海外から高い評価を受けると、次に制作した初めての商業長編映画作品『佐々木、イン、マイマイン』であらゆる新人賞を総なめにした。
■「知っている土台だけで構成」自伝的映画をふるさと新潟で撮影
監督デビューから10年の節目に公開する『しびれ』。実は、10数年前に初めて書いた脚本だったという。
「そのころは上京してすぐではあるが、『現実きつすぎるぜ』という時で、それを何か形にしなければ、自分がこの世界にいる理由が見つからないみたいな。(書いた)その当時はもっと殴り書きのような、渦中の人間の思っている気持ちを内包しているストーリーだったが、これが半自伝的な感じで紡がれていくことになっていくという映画」
その自伝的な映画をふるさと、新潟で撮影した内山監督。
海沿いのシーンを撮影するために山形県の県境から富山との県境まで全ての海を見て回ったと明かした。
「知っている感情と知っている景色しか、この脚本にも、映像にも残していないつもりなので、基本的にはその知っている土台だけで構成したい。それが映画の強さになるというのは信じていたから」
■主演・北村匠海さん抜擢の理由は“目”
もちろんキャスティングにもこだわりがある。
青年期の主人公に俳優の北村匠海さんを抜擢したのはその“目”に理由があると話す。
「目が大事。しびれは“目の映画”なので僕の中では。誰の目を通して語ればこの映画は成立するかという時に、匠海くんの目というのはすごく惹かれて。生きているようにも見えるし、死んでいるようにも見える目というか、なんかぎゅっとする感じが彼の目にはあった」
■監督が“しびれた”シーンは?
最後に映画『しびれ』の中で監督自身が特に“しびれた?シーン”を聞くと、「この映画、基本的には順撮り、順番にシーン12345678と順撮りで撮っていっている。子どもがリレーして成長していく話なんですけど。いわゆる、北村匠海パートになって初めて宮沢さん演じるあき、お母さんと対峙するシーン、その瞬間というか、彼らが初めて対峙するときが初めましての瞬間だった。そのシーンの彼らの撮っている空気感というか、やりとり全ては忘れられないというか、監督やっていて財産な時間だなとは思う」と明かした。
内山監督が初めてふるさと新潟で撮影した自伝的映画『しびれ』は9月25日に公開される。
