今回の熊本地震では、八代地域に400年伝わる伝統工芸品『高田焼』の窯元にも大きな被害がありました。
氷川町にある工房は伝統を絶やしてはいけないと、制作の再開を目指して準備を進めています。
【江上 晋さん】
「(地震の時)この場所で作業をしていた。立ったまま逃げられなくて、転げ回りながら外に出た」
震度7を観測した氷川町に工房を構える窯元『竜元窯』です。
陶芸家の江上晋さん。 八代地域に400年伝わる『高田焼』の焼き物を制作しています。窯元に生まれ、『青磁象嵌』の技法を中心に作陶活動を行い、熊本市内で作品展を開くなど 活動の幅を広げてきました。
7月の地震が発生した時も氷川町の工房で制作中でした。立っていられないほどの大きな揺れに襲われた工房では、100点以上の作品が割れる被害がありましたが、
江上さんは地震の1週間後から少しずつ作業を再開しました。
【江上さん】
「自分の気持ち的にも、ここで作業している時が一番落ち着く」
しかし、工房は窯の扉がゆがみ、レンガに隙間ができるなど、被害の跡も。
さらに、この頃は揺れが続いたため、窯を使うことには踏み出せないままでいましたが…
【江上さん】
「〈本焼き〉という1200度を超える温度に上がった時に、あんな揺れが来ると、この窯だけじゃなくて、建物自体もどうなるか分からない。そういう怖さもあったので、父に相談したら『そんなことを言っていても始まらない』と」
20年前に父の元さんから窯元を継いだ江上さん。〈伝統の工芸品を絶やしたくない〉。そんな思いで、本格的な制作再開に向けて、準備を進めています。
【江上さん】
「次の世代につなげていくことが大事なのかなと思う。生活が落ち着いてから、生活に彩りを添えたり、生活をより豊かにするために自分の作品がその一助になればという思いで作り続けていきたい」
江上さんの作品は、熊本県伝統工芸館で開催中の『被災工房支援展』で展示販売されています。
