8月、長野県千曲市で起きた強盗事件です。警察は、9月14日、強盗などの疑いで20歳から73歳までの男5人を逮捕しました。匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」の犯行とみられています。
8月21日に千曲市上徳間の事務所兼住宅で起きた強盗事件。
帰宅した住人の女性が家の中で男と鉢合わせし、拳銃のような物を突き付けられて「殺すぞ」などと脅されました。
女性にけがはありませんでしたが、家の中にあった現金を奪われていました。
この事件が14日、大きく進展しました。
警察は、住居侵入と強盗の疑いで佐久間こと佐藤純也容疑者24歳、長谷川龍貴容疑者24歳、小原瞳輝容疑者20歳、廣瀬真人容疑者47歳、中島弘行容疑者73歳の5人を逮捕しました。
8月21日に共謀して事務所兼住宅に侵入し、住人の女性を脅して現金約16万円を奪った疑いです。
警察によりますと、佐藤容疑者ら20代の3人が実行役で、いずれかが侵入したとみられています。
廣瀬容疑者は、実行役を集める「リクルーター」で中島容疑者の役割は捜査中だということです。
実行役の3人はそれぞれ面識があり、廣瀬容疑者と中島容疑者も互いに面識があるということですが、実行役と廣瀬容疑者らの間に面識があったかは捜査中としています。
犯行後、5人は車で逃走していて、事件から数日後に県内で車が乗り捨てられているのが見つかり、警察が行方を追っていました。
実行役とみられる3人は千葉市内のホテルで身柄を確保され、廣瀬容疑者と中島容疑者は、岐阜市にある中島容疑者の自宅で確保されたということです。
警察は、5人の認否を明らかにしていません。
警察は、匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」の犯行とみて、他に指示役がいる可能性も含め調べを進めています。
トクリュウの犯行とみられる実行役を募る形の強盗事件での逮捕は、県内では今回が初めてです。
専門家は、トクリュウがらみの事件は、「今後も根深く続いていく可能性がある」として注意を呼びかけています。
東京都立大法学部・星周一郎教授:
「いわゆる指示役と呼ばれる人たちが、自分たちは正体を明かさないように、直接自分たちが手を汚さないような形で、犯罪から得られる収益は手にできるということで、この数年急速に広がっているのは間違いない」
2026年5月に栃木県上三川町で起きた強盗殺人事件など、近年、全国で増えている「トクリュウ」がらみの犯罪。
刑事法が専門の東京都立大学・星周一郎教授は、千曲市の事件でも5人それぞれに役割分担され、他に「指示役」がいる可能性もあると指摘します。
東京都立大法学部・星周一郎教授:
「(警察が警戒を強めて)昔ほどは実行役を簡単に集めにくくなっているので、途中で実行役を集める役割のリクルーターですよね。73歳の人が(役割が)よくわからないということなんですが、いわゆる案件屋といわれる、その家に現金がある、金目のものが置いてあるんだよという情報を集めてきて、ターゲットとなる情報を集めてくるような役割とか、そういう組織割ができているという感じ」
犯罪が増える背景には、「実行役」の募集の手口が巧妙化している点があるとしています。
東京都立大法学部・星周一郎教授:
「(5月の)栃木県で起こった事件は、1人に声をかけてその1人から友達を誘ってというトクリュウもあるわけですし、オンラインだけでのリクルートもあればリアル空間での知人関係を使ったものもあるし、まともな仕事であるかのような応募でありながら実際には闇バイトだったということもあるので、簡単に仕事がもらえるということは少し怪しいところがあると意識しながら注意する必要がある」
身近に迫っている「トクリュウ」がらみの犯罪。
星教授は、今後も「根深く続く問題」として注意を呼びかけています。
東京都立大法学部・星周一郎教授:
「指示役からするとリスクが少なく犯罪を行うことができるという枠組みとして、これからずっと根深く続いていく問題になっていく可能性が高い。一人一人が加害者にもなってはいけない、被害者にもならないようにと、両面で注意をしていかなければいけない」
