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震度7の揺れが奪った2万匹 「20秒でいなくなった」 熊本・宇城市のメダカ専門店の店主が語る熊本地震

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シリーズ「命と未来をまもる」。今回は「地震」への備えを考えます。

7月に起きた熊本地震。発災から1カ月のタイミングで被災地を取材した江尻記者です。

FNNの取材団として熊本県宇城市と氷川町で取材にあたりました。宇城市と氷川町は今回の熊本地震で震度7を観測。最も揺れが大きかった地域です。

取材したのは、発災からちょうど1カ月のタイミングでしたが、住宅被害の範囲が大きく、未だ多くの場所で倒壊したままの住宅が見られました。

また、真夏の避難生活で、熱中症や体調悪化を防ぐことも大きな課題となっていました。

この地域で大きな被害を受けたメダカ専門店があります。生活再建に取り組む姿を取材しました。

*リポート
「私の後ろに見えますのが、今回の地震で最も被害の大きかった氷川町です。一見のどかな風景が広がっていますが、街の中に入ると至る所で地震の大きな爪痕が見られます」

真夏の熊本県を襲った地震。災害関連死を含め38人が亡くなり、一時10万戸以上が断水。現在も1800人以上が避難生活を続けています。

最大震度7を観測した宇城市豊野町。町のシンボル「山崎橋」も一部崩れるなど、いたるところに被害の爪痕が残っています。

ここでメダカ専門店「虹屋」を営む園田秀武さんです。6年前から約120種類、2万匹を超えるメダカを飼育・販売していました。

あの日。激しい揺れが店を襲いました。

*メダカ専門店 虹屋 園田秀武代表
「千何百ある箱が落ちていた。ひっくり返った状態。(揺れが)真下から突き上げるように、上にメダカとか水が飛んだ。自分の体も浮いた感じがした。立ってられなくて、箱が下に落ちたり、ひっくり返ったり、20秒後にはメダカは全部いなくなった」

水槽や飼育容器が壊れるなどし、生き残った残ったメダカはわずか300匹でした。地震から1カ月以上経っても断水が続き、店は休業したままです。

*メダカ専門店 虹屋 園田秀武代表
「水が全然でない。(課題は)飲み水の確保、あとはトイレ。(復旧は)いつになるか見通しが立っていない状況」

園田さんは地下水を使って、生き残ったメダカの飼育を続けています。

Qなぜ飼育箱を地面に置いている?
*メダカ専門店 虹屋 園田秀武代表
「また余震がこの後も来るんじゃないかなって。震度7をくらってるじゃないですか。2016年の時も、震度7が2回来ているので、(もしも)次も来た時のために。同じ失敗は繰り返したくないから」

両親と3人暮らしの園田さん。住宅部分も大きく損壊しました。

10年前、熊本市内にあった自宅が地震で倒壊し、宇城市へ移り住んだばかりでした。

*父 幹彦さん
「10年前に捨てきれなかったものが、また、10年ぶりに見直して、処分している」

Q10年前も被災された?
*父 幹彦さん
「そうですね」

*母 千代美さん
「うちが熊本市内に60年ほど(店をしていた)時のお祭りをしていた時のですね。これがうちの父で、会長をしていたり、その時の祭りですね。懐かしい、あの頃こんなことやってましたね。10年前の地震で店を辞めて、(商店街で)店をやってる人はいないんじゃないかな」

*母 千代美さん
「保育園の時の出てきた」

Q思い出ボックスですか?
*母 千代美さん
「今も夫とどうしようかって。捨てきれないものが出てきて、悩んでる。その繰り返しかもしれないね。今から考えなきゃいけないんだろうけど」

宇城市へ移り住んで6年目で2度目の被災。店が軌道に乗り始めた矢先のことでした。

*メダカ専門店 虹屋 園田秀武代表
「今日はまだ過ごしやすいですね。どうぞ、我が家です。(震災前は)金魚とメダカの繁殖場。2000匹ぐらい飼っていた。全部いなくなったので、家の物をここに入れている段階」

Qいつからここに?
*メダカ専門店 虹屋 園田秀武代表
「発災からずっと」

*メダカ専門店 虹屋 園田秀武代表
「一番つらいのはこの暑さ。この中は45℃くらいになるのかな」

メダカの世話をするため、避難所では生活せず、養殖場として使っていた敷地内にあるハウスで暮らしています。

*メダカ専門店 虹屋 園田秀武代表
「来てもらった方に書いてもらったり、そういうゆとりが出てきた。今までは毎日が大変だったんで。泣きそうになります。正直。文章を読むと、やっぱりもっと頑張らないとなって、負けてたまるかっていう気持ちになる」

店の再開を目指し、今は、クラウドファンディングで復旧に必要な資金を募っています。

*メダカ専門店 虹屋 園田秀武代表
「今のところ元気。「どぎゃんかなるぞ」って思っている。熊本弁で言うと。『できたしこ』って言う。あんまり頑張りすぎなくていいよってこと。「できたしこ」です」

熊本地震から1カ月余り。生活と生業の再建はこれからです。

「できたしこ」という園田さんの言葉が印象に残りました。

無理をしすぎず、できることを少しずつ。という意味です。

生活の再建、復興に向け前を向いて取り組む姿が印象的でした。

今回の地震は、私たちの経験した能登半島地震と違い、真夏に発生しました。復旧作業を阻んでいたのが、厳しい暑さです。

連日、気温が35度を超える中、各地でボランティアによる復旧活動が行われていましたが、現場では、熱中症対策として「10分作業したら、10分休む」を徹底していました。

当然、これも命を守るため必要なのですが、思うように作業が進まない、より人が必要になる現状を目の当たりにしました。

また、メダカ専門店の園田さんは、「災害の風化が怖い」、「復興はまだこれからである実態を知ってほしい」との思いで取材を受けてくださいました。

災害の教訓を引き継いでいく大切さ、いつ起きるかわからない災害に備える大切さを改めて感じました。

富山テレビ
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