東京・世田谷区にある北海道の魚介が味わえる海鮮食堂「根室食堂 尾山台店」で提供しているのは、身はふっくらジューシーに、皮はパリッと香ばしく焼き上げられた脂がのった“サケの塩焼き”です。
日本の食卓に欠かせないサケですが、その価格に平山徳治店長からは「(仕入れ価格は)ここ3年で3倍以上上がっている。1kg800円くらいだったけどたぶん今は3500~4000円。ブランド鮭『銀聖』なら7000円ぐらいかな。本当に高級魚になっちゃいましたね」という不安の声が聞かれました。
庶民の味だったはずのサケが高級魚に?
その要因となっているのが歴史的不漁です。
9月1日に秋サケ漁が解禁された北海道の漁港では、次々と水揚げされましたが、漁師の表情は晴れません。
漁師は「(Q.初水揚げは?)全くいなかった。200kgくらい。去年の3分の1だった。これからよくなると思うけど…」と話します。
北海道の秋サケ来遊数は2025年、約686万匹まで落ち込み、記録的な不漁となりました。
2026年はさらに半減し、ピーク時のわずか6%ほどの364万5000匹にまで減ると予測されているのです。
その理由と考えられているのが、温暖化による海水温の上昇やプランクトンの減少。
それによるサケの不漁予測は、私たちの食卓にも影響を及ぼしそうです。
北海道・釧路市の鮮魚店「相原商店」では、2025年1kg当たり1000円前後でしたが2026年はというと、「(オス1匹で)7~8000円から1万円になるかな。サケ屋はダメになってしまう。メインで売る品物がなくなってしまう」と、相原幸雄社長は話します。
4日に取材した東京の海鮮食堂では本来、北海道産の生サケを使用したいものの現在は仕入れ自体が困難。
そのため、北海道産の冷凍サケなどで何とか対応しているといいます。
根室食堂 尾山台店・平山徳治店長:
生のサケは塩焼きにすると皮までおいしい。それはもう絶品だが、まだ今年に入って2回しか届いていない。今後も高くなるだろうし利益率を考えると、あまり好ましくない商材になってきたかな。
サケに加え北海道産イクラの仕入れ価格も10年前の10倍近くにまで高騰する中、秋サケの不漁予測を受け、店はさらなる価格上昇に不安を募らせています。
こうしたサケの危機的状況について、魚の養殖などを研究する岡山理科大学 生命科学部の山本俊政准教授は、「(サケの)大きさは昔と違ってかなり小型になっている。以前であれば4kg、5kgぐらいの大型のものもとれていたが、それがもう3kg以下、場合によっては2kgと、どんどん親が小型化している。ただ今、全国で養殖が始まっている。そういう一つの流れというのは、これから必ずやっていかないといけない」と、指摘します。
