政府の地震調査委員会は近畿地域の活断層の地震発生確率をおよそ20年ぶりに見直し、その結果を公表しました。
これまで最も高い「Sランク」(30年以内の発生確率が3%以上)だった大阪を南北に走る「上町断層帯」は2段階低い「Zランク」(30年以内の発生確率が0.1%未満)に。
その一方で、阪神エリアを横断する「六甲・淡路島断層帯」の一部区間が「Sランク」になりました。
■近畿2府4県に位置する「Sランク」は4つに
地震調査委員会は岐阜や岡山などの一部地域を含む「近畿地域」(2府9県 岡山、兵庫、京都、大阪、奈良、和歌山、滋賀、福井、岐阜、三重、愛知)の活断層について、最新の活動時期や平均活動周期に基づく調査を実施。
これまでは長さが20キロメートル以上の主要活断層帯(21活断層)を対象としていましたが、今回からは、20キロメートル以下でもマグニチュード6.8以上の地震を引き起こす可能性がある場合も加えたことで、調査対象は45の活断層になりました。
調査の結果、「近畿地域」全体では、今後30年以内にマグニチュード6.8以上の地震が発生する確率は「50~60%」。
そして、”30年以内の発生確率が3%以上”の「Sランク」に分類される活断層や断層帯は「上町断層帯」(大阪府豊中市~大阪市~岸和田市)、「奈良盆地東縁断層帯」(京都・山科盆地~奈良盆地東縁)、「琵琶湖西岸断層帯」(滋賀県高島市~大津市国分付)の3つでしたが、今回8つへと増加しました。
今回の調査で「Sランク」となったのは
「京都盆地-奈良盆地断層帯」(※「奈良盆地東縁断層帯」から名称変更)
「琵琶湖西岸断層帯」
「六甲・淡路島断層帯」(大阪府北西部~兵庫県の淡路島)の“六甲山地南縁-淡路島東岸区間”
「浦底-柳ヶ瀬山断層帯」(福井県坂井市~滋賀県・琵琶湖東岸)
「池田山断層」(岐阜県揖斐川町~大垣市)
「養老-桑名-四日市断層帯」(岐阜県垂井町~三重県桑名市~四日市市)の北部・中部
「高茶屋断層帯」(三重県津市沖合~津市、松阪市、多気郡多気町)
「伊勢湾断層帯南部」(三重県津市河芸町沖合~愛知県南知多町の南方海域)“白子-野間区間”
近畿2府4県で見ると、もともと入っていた「上町断層帯」が「Zランク」になる一方で、新たに「浦底-柳ヶ瀬山断層帯」と「六甲・淡路島断層帯」の一部区間が「Sランク」となりました。
■阪神・淡路大震災の“割れ残り”部分が「Sランク」に
「六甲・淡路島断層帯」は、阪神・淡路大震災を引き起こした「野島断層」を含む”淡路島西岸区間”と、淡路島の東側から宝塚市までの”六甲山地南縁-淡路島東岸区間”の2つの区間に分かれています。
”淡路島西岸区間”は「Zランク」(30年以内の発生確率が0.1%未満)のままですが、その東側に位置する”六甲山地南縁-淡路島東岸区間”が今回「Sランク」となりました。
この区間は、阪神・淡路大震災で動き切らなかったいわゆる“割れ残り”の部分になります。
この区間で大規模な地震が発生すると、人口が集中する阪神エリアから大阪などに震度6~7の揺れをもたらすと考えられています。
■過去の地震活動が新たに判明しランクが“下がった”「上町断層帯」 沿岸にも断層確認され“規模”は拡大
大阪市などを縦断する「上町断層帯」は、「Sランク」から「Zランク」へと2段階下がりました。
上町断層帯の直近の地震発生の時期はこれまで、「約9000~2万8000年前」とされていましたが、今回の調査で「約1000~2700年前」だったことが判明し、見直しにつながったということです。
その一方で、沿岸部にも断層があることも判明し、断層帯の規模は大きくなりました。
地震捜査委員会の小原一成委員長は「上町断層帯は、今回の調査でランクは下がったが、活断層の全長がさらに長いことが判明した。地震発生時はこれまでの想定よりも大きな揺れとなる可能性があり、備えは継続してほしい」としています。
また「近畿地域」全体について、「かなり多くの活断層が存在している地域で、地震がいつ起きても大丈夫なように家具の転倒防止、自宅の耐震補強、防災用品の備えなど確実にしてほしい」と呼びかけています。
調査委員会は今後「中部」、「東北」、「北海道」の活断層評価の見直しを行っていくということです。
