強い勢力を保ったまま奄美地方を直撃した台風18号は、8月25日夜から26日朝にかけて猛烈な雨と風で各地に大きな被害をもたらした。徳之島の天城町では観測史上最大となる最大瞬間風速54.5メートルを記録。帰省中に被災した住民は「本当に今生きてて良かったなってくらい怖かった」と震える声で振り返った。奄美地方の停電は27日午前10時時点で約2万戸に上り、しばらく影響が続く見通しだ。
観測史上最大の瞬間風速、徳之島を暴風が直撃
25日午後7時ごろ、台風18号の暴風域に入った徳之島町の映像には、風にあおられて激しく揺れる街路樹の姿が映し出された。車のフロントガラスには強風とともに大粒の雨が打ち付け、現地の凄まじさを物語っていた。

午後7時19分、徳之島の天城町では最大瞬間風速54.5メートルを観測。これは観測史上最大の記録となった。さらに伊仙町でも最大瞬間風速44.3メートルを観測するなど、島全体が猛烈な暴風にさらされた。
台風が奄美地方に最接近した午後11時すぎには、徳之島周辺で線状降水帯が発生。台風の目を取り巻く発達した雨雲が徳之島にかかり続け、住民は長時間にわたって暴風雨への恐怖と向き合うことを余儀なくされた。
その頃、島内では激しい風に飛ばされそうになるガラスを必死に抑える住民の姿も見られた。伊仙町の住民は「こっちにいれるの?どういうこと?」「向こうにだけはいかないように」と声を上げながら、必死に状況に対処していた。
沖永良部島・与論島でも猛威、天井から雨漏りも
被害は徳之島だけにとどまらなかった。同じ時間帯、沖永良部島では雨が四方八方から降りつけ、風が大きな音を立て続けた。与論島でも住民が撮影した動画に大きく揺れる木と猛烈な雨風の音が収められ、ある男性の家では天井から雨漏りが発生した。
奄美大島の大和村でも25日夜、強風によって住宅の屋根の一部が飛ばされる被害が起きた。室内に雨と風が入り込み、畳が水浸しになったほか、障子も破れた。住人の男性は「風が急にバッときて、それで屋根が飛んだ」と当時の様子を語り、「じいちゃんが造った家だった。寂しさがある」と肩を落とした。
電柱が真二つ、帰省者「今生きてて良かった」
一夜明けた26日午前7時、徳之島町では前方部分が折れ曲がった原付バイクや横転したままの車が確認された。道路には大きな木がなぎ倒され、電灯も折れ曲がるなど、強風の爪痕が至る所に残っていた。

伊仙町目手久では、電柱が真ん中から真二つに折れる被害も発生。伊仙町に帰省していた人物は昨夜の恐怖をこう振り返った。「大きな音がバリバリ、ゴーンという感じで。頭にもたんこぶがあるんですけど、上から屋根が落ちてきたりして。本当に今生きてて良かったなってくらい怖かった」。
負傷者も、停電は約2万戸に
役場や消防によると、奄美市では自転車に乗っていた40代の男性が風にあおられて転倒し、重傷で入院した。瀬戸内町では70代の女性が自宅で停電中に階段から転んで右手首を骨折したという。
徳之島の3つの自治体ではほとんどの地域で停電が発生しており、奄美地方全体の停電は27日午前10時時点で約2万戸に上る。台風18号がもたらした被害の影響は、しばらく続く見通しだ。
【動画で見る▶奄美地方直撃の台風18号 被害明らかに 徳之島周辺では線状降水帯発生】

