熊本地震の被災地では米作りにも深刻な影響が出ています。
甲佐町では雨が少ない影響でため池が枯れているほか、地震で亀裂ができ水が十分にたまらない水田もあります。
稲が穂を出す大切な時期を迎える中、農家は水の確保に追われています。
甲佐町世持は、一面に広がる水田地帯です。そのすぐそばにあるため池では異変が起きていました。
【FNN取材団青木稜悟記者】
「用水路に水を送るためのため池です。普段はコンクリートの上あたりまで水があるということですが、今は干上がっています」
この地域では、まとまった雨が降らない日が続き、ため池の水がほとんど干上がっているのです。
この地域で2500平方メートルの水田を管理する米農家の上田順治(うえだじゅんじ)さんは、水が必要な時期で「タイミング的には一番悪い」と訴えます。
【米農家・上田順治さん】「今は(ため池が)2枚あるけど、上も下も干上がっている。
だから(用水路に)流せる状況じゃない」
稲はこれから、穂が出て多くの水が必要になる大切な時期ですが、水不足と重なってしまいました。
このため町の許可を得て、今月18日から応急的な対策を始めました。消火栓から防火水槽に水をため、ポンプを使って用水路へ流しています。ただ、上水道から水を引いているため、使える量には限りがあります。
【米農家・上田順治さん】「願いはやっぱ、雨が欲しいよね。雨がないと(米)ができない」
一方、同じ甲佐町でも、こちらの府領では、地震の影響が農家を苦しめています。
この地区で4ヘクタール以上の水田を管理する坂本猛さんは、「今回の熊本地震の影響で、地割れができ、そこに全ての水が流れ込んでしまって、奥に水が行き届かない」と訴えます。
地震が起きた時、田んぼは一度水を抜く「中干し(なかぼし)」の時期で、その後、穂を出すために再び水を入れ始めましたが、地震でできた亀裂から水が抜けてしまうようになりました。
水が届かない稲は成長が遅れ、一部は枯れ始めています。
坂本さんは、亀裂はこのエリアでおよそ500メートルにわたって続いているとみています。
水を入れていきながら、水が流れ込んでしまう場所を探し、見つけた亀裂を足で踏み固めていきます。
被害は2割ほどに抑えられる見込みといいますが、生育の遅れから、例年10月上旬だった収穫は、10月下旬にずれ込む見込みです。
【米農家・坂本猛さん】「あちらの田んぼは枯れ始めているので、いまが正念場」
少雨に加え、地震でできた亀裂。米作りに欠かせない水をどう確保するのか。農家にとって厳しい夏が続いています。
