電車に頭から突っ込む形で止まった白い車。後方が大きく破壊され、車の部品と見られるものが現場周辺に広く散乱していました。
警察は事故ではなく、事件と判断しました。
逮捕・送検されたのは、加藤研一容疑者(52)。ロードサービスなどを行うJAFに勤めています。
加藤容疑者は、後続の車を踏切内から出られないようにして、男性を殺害しようとした
「殺人未遂」の疑いがもたれているのです。
■車ごと踏切内にとどめ殺害しようとしたか
現場は、さいたま市の大宮駅と千葉方面を結ぶ「東武アーバンパークライン」の岩槻駅と七里駅の間にある踏切でした。
警察によると、まず加藤容疑者が運転する車が踏切内を進行し、後続の被害男性の車がそれに続きました。
加藤容疑者は踏切を渡り終えたところで車を停車。その結果、後続の被害男性の車は踏切内に取り残されました。
加藤容疑者はそのまま車を降り、踏切内の被害男性のもとへと歩み寄りました。
現場を目撃した人物の家族によれば、「2台の車がいて、言い争いがあり、電車が止まった」「どちらかが煽ったと聞いた」とのことです。
その後、遮断機が下がった状態で加藤容疑者は車に戻り発進。踏切内に残された被害男性は踏切を出ようとしましたが、車が遮断機に引っかかってしまいました。
外そうとして車を降りた直後、電車が走ってきて車の後部と衝突し、車は半回転しながら電車に突っ込む形で静止しました。
東武鉄道によると、この区間の電車は時速およそ80キロで走行します。
乗客にけが人はいなかったものの、運休や遅延が発生し、およそ1万4,000人に影響が出ました。
■事件直前に何があったのか 3つの防犯カメラが捉えた”接近”
3つの防犯カメラの映像から
2台の車の状況が分かってきました。
踏切まで約400メートルの地点では、加藤容疑者の車が通過してから10秒後に被害男性の車が通過していました。
しかし約150メートル先の映像では、2台の車間距離が明らかに縮まっていることが確認できます。
さらに100メートル先のカメラでも2台が連なるように走行する様子が映り、後方の車に一瞬ブレーキランプが点灯したことも確認されています。
加藤容疑者は警察の調べに対し、「相手の車が車間距離が近く、注意するために車を止めた」「殺そうとは思っていない」と話しているといいます。
一方で警察は、“あおり運転”などは現時点では確認できていないとしています。
■親族が語った“人物像”「荒っぽいことをするような人ではなく…」
加藤容疑者の親族は「荒っぽいことをするような人ではなく、キレたり怒ったりもしません」と驚きを隠せない様子で、知人も「会うと挨拶をしてくれる、物腰の柔らかい人です」と語ります。
また、普段1人暮らしをしている母親のために月に2〜3度実家を訪れ、庭の手入れなどもしていたといいます。
■損害賠償も「1000万円以上になる」と若狭弁護士指摘
弁護士の若狭勝氏は、今回の殺人未遂容疑での逮捕についてこう分析しています。
【元横浜地検刑事部長 若狭勝弁護士】「実際に(車と電車が)ぶつかっていることからすると、かなり接近した状態において、踏切内にとどめさせたということが、極めて危険。
そこに人が乗っていれば、当然死亡する危険性が高い。したがって殺人未遂罪の評価が可能ということから逮捕に踏み切った。
(電車を止めたことなど)民事上の損害賠償責任も発生し、少なくとも1000万円以上の賠償金になる」
加藤容疑者が勤めるJAFは取材に対し、「当連盟の職員が逮捕されたことは認識しております。現在、事実関係の確認を進めているところです」とコメントしています。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年8月21日放送)
