福岡県知事が全面的な見直しを表明したワンヘルス事業。ワンヘルスの名を冠して県が新たに100億円を調達しようとしていることが分かった。
県民から疑問視 ワンヘルス事業見直しへ
福岡県議会の蔵内勇夫議長(72)が、ライフワークとして推し進めてきたワンヘルス事業。人と動物、そして環境は互いに繋がっているとして一体的に健康を守っていこうという取り組みだ。

しかし、福岡・筑後市に約3億円をかけ整備したモニュメントや福岡市の舞鶴公園に6千万円を投じて整備したものの、赤字のまま1年で閉園した『ワンヘルスパーク』など、その進め方を疑問視する県民の声も少なくない。

こうしたなか、ワンヘルス事業に同調してきた福岡県の服部誠太郎知事(71)は「行革審の答申を頂くまでは、今の段階で未着手の事業等については、当面凍結をしたいと思っている」と発言。今後、一連の事業を根底から見直していくと明言した。

ワンヘルス事業について未着手のものは、当面凍結するほか一連の事業を根底から見直すと明らかにしたのだ。
“ワンヘルス”の名前を冠した“借金”
知事が、ブレーキをかけたワンヘルス事業だが、その裏ではこんな話も…。
記者リポート「福岡県が8月、発行を予定しているのが“ワンヘルスボンド”と名付けられた地方債、つまり借金です。その金額は、総額100億円に上ります」

地方債とは国や銀行、投資家などに対する地方自治体の借金だ。県は、通常の地方債とは別にワンヘルスの名前を冠したワンヘルスボンドを2025年は50億円、2026年は追加で100億円を8月に発行する。

5年、または10年で返済を行う計画だが、その際に使われるのは私たちの税金。そこで気になるのが、ワンヘルスボンドで調達した資金の使い道だ。

福岡県財政課の末延真里班長は「令和8年度の当初予算ベースでいうと、ワンヘルスセンターが69億円。実績に応じて実際の充当額を決めていくかたちになります」と話す。

福岡・みやま市で、総事業費約200億円をかけて建設中の通称『ワンヘルスセンター』。老朽化のため移転してくる県の保健環境研究所に加え、家畜や野生動物の保健衛生を担う施設などが入るセンターの整備費に充てられる。

このほかワンヘルス教育を実践する県立高校の整備、防災拠点となる公園の整備、河川の改修など対象の事業は「ワンヘルスの考え方に親和性が高いもの」とされ、多岐に渡る。

財政課の末延班長は「ワンヘルスボンドっていうのは、あくまでも冠をつけているものであって、整備している事業は保健環境研究所など、老朽化した建物を建て替えるために必要なお金。整備としてやれなければならないものの充当事業になってきますので、そこはしっかりと進めていきたい」と話す。

その上で、県の担当者は、通常の地方債より返済時の県民の負担を減らせるメリットもあると強調する。「通常債よりも金利が少し低く発行できるという意味で、利子削減効果につながっていきます」と話す財政課の末延班長。

知事が全面見直しを表明したワンヘルス事業。水面下で進むワンヘルスボンドの動向も引き続き注視する必要がある。
(テレビ西日本)

