笹川堯元自民党総務会長(91)は7日、フジテレビ報道局の公式YouTubeチャンネル「ニュース延長戦はじめます。」に出演し、「予算カット」発言をめぐる簗和生農林水産大臣の問題や物価高対策、高市内閣が取り組むべき課題について語った。
簗農水大臣が地元で、自身への自治体の支援と予算配分とを結びつけるような発言をしたことについて、笹川氏は「言いたいのは分かるけど、言わないのがいいと思う」と苦言を呈した。
笹川氏が特に問題視したのは、「(自身への支援を)やったところは増やすが、やらないところは減らす」と受け取られかねない発言だった。
笹川氏は「やったやつは増やすけど、やらないやつは減らすぞという言葉は絶対使っちゃいけない。一種の買収になってしまう」と指摘。
笹川氏は、国会議員が地域のために予算の確保に取り組むこと自体には一定の理解を示しながらも、「そういうことを言っているから(小選挙区での獲得)票が少ない」と率直に語り、政治的な支援と予算配分を結びつけるような説明の仕方は、有権者の不信を招くとの見方を示した。
国交省の調査に「本当のことは役人は言わない」国土交通省は関係者への聞き取りを行い、簗氏側から今年2月に地元自治体への予算配分に関する問い合わせはあったものの、圧力とは受け止めていなかった旨の調査結果を示した。
この調査について、笹川氏は「本当のことは役人は言わないよ」と懐疑的な見方を示した。
「落ちた人は信用がなくて落ちた」
簗氏を農水大臣に起用した高市早苗総理大臣の判断についての見解を聞くと、笹川氏は「(小選挙区で)落ちた人は信用がなくて落ちたんだから」と述べ、簗氏のような比例代表で復活した議員の閣僚起用に疑問を呈した。
笹川氏は自身にも落選経験があることに触れたうえで、「簗さんを大臣にしたのは、多少滑っちゃったかな」と語った。
笹川氏は、高市首相と簗氏が懇意であり、その信頼関係が起用の背景にあった可能性を指摘する一方、地元での発言や予算をめぐる問い合わせまで、高市首相が事前に把握していたとは考えにくいとの見方を示した。
簗大臣から国交省などへの直接の働きかけがなかった場合でも政治責任は生じると思うかを質すと、笹川氏は「(直接の働きかけが)なくても、結果として(間接的に)あったら政治責任」と指摘した。
「1人ぐらい辞めたって、高市内閣は盤石」
一方で、笹川氏は簗大臣の進退が高市政権の基盤を揺るがすとの見方を否定し、「(仮に)1人ぐらい辞めたって、高市内閣は盤石。あんな(総選挙の)勝ち方は戦後ない。それは高市内閣が信頼されたということだ」と述べた。
ただ、笹川氏は、「国会が停滞する(ことの)方が責任だ」と強調し、「(簗大臣は)高市内閣を応援したんだから、高市内閣が困らないかを考えるべき」、として簗大臣は今後の政権全体への影響を踏まえて、自らの進退を含めた判断を行うべきだとの考えを示した。
消費税減税より「現金支給が最も早い」物価高対策について、笹川氏は消費税減税よりも現金給付を優先すべきだと主張した。
笹川氏は、消費税率を変更すれば、事業者はレジなどのシステムを改修する必要があり、税率を戻す際にも再び対応が求められると指摘した。
そのうえで、「それよりも現金支給が最も早い。もらった気がする」と述べ、給付の方が、国民に政策の効果を実感してもらいやすいとの認識を示した。
また、笹川氏は「世論が変わったら変えればいい」と述べ、消費税減税も含め、一度決めた政策に固執せず、国民の受け止めや状況に応じて見直すべきとの考えを示した。
高市内閣の「一仕事」は比例代表全廃
さらに、笹川氏は、歴代の自民党政権が「一内閣一仕事」という流れをたどってきたことを挙げ、高市内閣が一つだけ大きな仕事を成し遂げるとしたら何かと問うと、「(選挙制度における)比例代表の全廃」と即答した。
笹川氏は「これをやったら政治に活力が出るし、(議員が)もっと勉強する。今のように、(小選挙区で)負けたのになんか(比例代表での復活で)勝っていたというのはよくない」と、いわゆる“比例復活”の仕組みを批判した。
さらに笹川氏は、選挙制度改革については「分かりやすい方がいい」と強調し、選挙の勝敗が明確な制度にすることで、政治家はより緊張感を持って活動し、有権者も候補者の当落に真剣に向き合うようになるとの持論を展開した。

