アジア大会の開幕まで1か月。屋外の競技も多い大会で気になるのは、暑さや台風など天候への対策です。
■屋外競技会場では気象データ蓄積し対策
福島智之気象予報士:
「近年で言いますと、9月の下旬になっても30度以上の真夏日ですとか、場合によっては35度に迫るような暑さもありますので、引き続き熱中症には注意が必要かと思います。例年で言うと、上空に寒気が流れ込んでくるタイミングもありそうなので、ゲリラ雷雨の可能性も考えられます」
そんな気象の急変に備え、既に対策が取られています。
愛知県蒲郡市のトライアスロン会場にそびえたつ、高さ約3mの気象観測装置。

組織委員会 気象情報センター 熊田浩一センター長:
「上から風の観測、白い筒のようなものが気温の観測、黒い玉がありますが熱中症の暑さ指数の観測をしています。それから筒状のものが降水量の観測をしています」
トライアスロンや自転車のBMXなど天候の影響を受けやすい屋外競技の9会場に設置し、競技会場の気象データを蓄積。

気象庁出身者らで構成する気象情報センターがデータの収集や分析をし、それをもとに競技の中止や開始時間の変更を検討するほか、選手や観客への熱中症対策も呼びかけるということです。
熊田浩一センター長:
「この会場のデータを6月からずっと取っているところになります。より正確な情報を提供できるようにしています」
■名古屋港の選手宿泊施設…津波・高潮対策は
大会側が気象対策に力を入れる中、気になる場所が選手らの宿泊先です。
大規模な選手村を設けない今回の大会では、名古屋港ガーデンふ頭に設置したコンテナ型の宿泊施設に2000人、さらに金城ふ頭に停泊するクルーズ船に4000人が宿泊します。

ところが…。
熊田浩一センター長:
「ここはご覧のとおり、あそこに防潮扉というものがあって高潮とか津波から守るための扉があって壁がずっとあるんですけど、それよりも海側にある」
コンテナハウスもクルーズ船も防潮扉より海側に位置し、愛知県によりますと、高潮の影響で浸水が想定される場所です。

もし台風が接近・上陸した場合、6000人もの選手、さらに観客はスムーズに避難できるのでしょうか。
大会組織委員会のトップ・大村知事は…。
大村知事:
「台風が来て警報したら試合も中止ですから、公共交通機関も止まるので試合中止になる。そこは選手や観客の安全を第一に考えてガイドライン作っているので、それをもって万全を期してやっていきたい」
組織委員会によると、津波や高潮が発生した場合、クルーズ船は選手らを乗せて沖へ離れる対応をとるほか、コンテナハウスの選手らはバスで海から離れて、近隣住民の避難場所とは別の場所に避難するということです。

開幕まで残り1カ月。自然現象を相手にどう立ち向かうのか。
熊田浩一センター長:
「天気だけはコントロールができませんので、大会期間中に穏やかな天気であることを祈りながら、そうはいっても台風が来た時とかには、適切な情報を出せるように準備を進めているところです」
■気象に翻弄される国際大会…台風で中止も
地球温暖化の影響か、国際大会が気象に翻弄されるケースが近年多くみられます。

5年前の東京オリンピック。豊橋市出身の鈴木亜由子さんも出場していましたが、このとき、猛暑を避けるためマラソンと競歩の会場を東京都内から札幌市に移しました。
そして東京で開かれた去年の陸上世界選手権。このときマラソンと競歩は国立競技場を発着点に行われたのですが、こちらも暑さを避けるため、元々朝8時だったスタート時間を7時半に繰り上げました。
また、影響は暑さだけではありません。
2019年10月、台風19号が直撃した時に開催中だったのが「ラグビーW杯」です。
豊田スタジアムで予定されていたニュージーランド×イタリア戦など2試合が台風のため中止になりました。
これは、ラグビーW杯史上初めてのことだそうです。

