最大震度7を観測した熊本地震は夏休みの観光業にも大きな打撃を与えていて、影響は地震の被害が少なかった地域にも及んでいます。観光地の厳しい現状、そして苦しい中にも独自策を打ち出し、客を呼び戻そうと取り組むホテルを取材しました。
8月12日、阿蘇市。
【FNN取材団 司 紫瑶 記者】
「草千里ヶ浜の駐車場です。お盆ですが、10分ほど並んだらスムーズに入ることができました」
震度5弱を観測した阿蘇市。例年のお盆時期と比べると少ないというものの、草千里では観光客の出足はまずますのようでしたが…
【パティスリー・ド・アソMIYUKI 木下 一生 専務】
「(地震発生直後は)お客さんも激減。『開店休業』のような状態だった」
内牧温泉で30年以上営業している洋菓子店。今回の地震で大きな被害はありませんでしたが、この半月の売り上げは通常の半分以下ということで、温泉街を見渡しても人通りはまばらです。
熊本県によりますと、8月6日までの宿泊キャンセルはのべ14万人を超え、被害額は合わせて20億円以上。地震による直接的な被害が小さかった阿蘇や天草地域に集中しています。
一方で、あえて今、訪れたという観光客も。
【阿蘇市を訪れた人(宮崎から)】
「ネットで調べて『阿蘇が観光が少ない』というのを見て、この機会に行ってみようと思って、急遽行くことに決めました」
【阿蘇市を訪れた人(福岡から)】
「揺れた地域とは離れているし、泊まる所のSNSでも大丈夫というのがあったので、行くことにした」
阿蘇市観光協会の永田 祐介 代表理事は次のように話します。
【阿蘇市観光協会 永田 祐介 代表理事】
「大手を振って『安心安全』と言える時期ではないかもしれない。ご自身のタイミングで熊本に来て旅行することで、地域経済を支えていただけると、我々はありがたい」
8月15日の天草市。
【尾谷 いずみ キャスター】
「天草市のこちらのホテル、お盆時期は例年、満室の日が続くそうですが、8月15日は半分ほどが空室ということです」
天草の海を一望できるホテルアレグリアガーデンズ天草。
天草市では震度5強を観測しましたが、ホテルの営業に問題が生じることはありませんでした。
しかし…
【ホテルアレグリアガーデンズ天草 近藤 和泰 総支配人】
「(地震発生)当日夕方からキャンセルの電話があり、翌日、翌々日も1週間ほどが鳴る電話の全てがキャンセルだった」
本来8月は年間で最も多くのお客を迎えるというトップシーズン。しかし、このホテルでは地震発生以降、12月までの年内、約2000人分の宿泊がキャンセルされていて、その損失は約4000万円に上ります。
このほか、8月に予定されていた宴会も全てキャンセルになったということです。
ホテルは被災者に温泉の無料開放を実施しているほか、独自の取り組みとして15リットル・約255キロメートル相当のガソリンクーポン券を付けた宿泊プランを9月に再開することにしました。
これはネット予約限定の宿泊プランとして、今年度実施し、好評だったもので、ホテルのグループ企業にガソリンスタンドがある強みを生かした企画です。
【ホテルアレグリアガーデンズ天草 近藤 和泰 総支配人】
「建物も、来られる際の交通インフラも全く問題ないので来てもらいたいが、余震や猛暑が落ち着いたら、ぜひ皆さんに天草に来ていただきたいという思いがあります」
「落ち着いたら、ぜひ訪れて」
切なる訴えです。
ガソリンクーポン付き宿泊プランは、ホテルアレグリアガーデンズ天草の独自の取り組みです。ホテルホームページからのネット予約限定のプランということです。
