先月から今月14日までにサザエなどを密漁したとして京都府内であわせて19人が摘発されていたことがわかりました。
京都府内では、密漁をする人の大半はレジャー客で、海水浴シーズンにあたる7月・8月に件数が増加する傾向にあります。
毎年、この時期に増える“密漁”の実態を取材しました。
■海保のカメラがとらえた“密漁”の瞬間
海上保安部のカメラがとらえたのは海に潜り、何かを取っているような動きを見せる男の姿。
【海保捜査員】「網袋持ってる。黄色い網袋、何か入ってる。サザエかはわからん」
すると…
【海保捜査員】「上陸。網袋、引き揚げたよ。クーラーボックスに入れた」
■大量のサザエを密漁か…「ちょっと採ってみた」
海上保安部の捜査員が男に話しかけると…
【海保捜査員】「2つともお兄さんの物ですよね。すごい量ですね、これ」
さらに、クーラーボックスの中にも大量のサザエが!その数、なんとおよそ200個!
【海保捜査員】「どうするつもりだったんですか?持って帰って食べるつもりつもりだったんですか?」
【男性】「いやいや、ちょっと取ってみただけで、持って帰りはしないよ」
【海保捜査員】「こんだけの量なんで、『ちょっと取ってみた』って量じゃないじゃないですか。さすがに無理があるじゃないですか」
男はサザエを密漁した漁業法違反の疑いで摘発されました。
■密漁をする人の大半はレジャー客
舞鶴海上保安部によると、7月1日から8月14日にかけてアワビやサザエなどを密漁した疑いで20代から70代の男女、計19人が摘発されました。
京都府内では、密漁をする人の大半はレジャー客だといいます。
漁業組合などの「漁業権」が独占的に認められている場所でサザエなどをとることは漁業法で禁止されています。
【舞鶴海上保安部 羽賀田亨次長】「たとえ少量であっても密漁の違反行為は取り締まりの対象になります。許可のない一般の人はサザエ・アワビなど取らないようにお願いします」
■地元の漁業組合「泥棒されているような状況」
京都府北部では密漁をする人の大半は、レジャー客だといい、海水浴シーズンの7月、8月に増え地元の漁業組合も、頭を抱えています。
【京都府漁業協同組合組織部 千賀隼人部長】「(水産資源を)なんとか増やそうと種苗という赤ちゃんの頃から放流して、長年かけて活動してる中で、大量の漁獲をされてしまうと、水の泡になってしまう。そもそも漁業者が(水産資源)を生活の糧にしてるので、泥棒されてるような状況です」
組合によると、京都府内では毎年50件ほどの密漁が確認されていて、数量に関わらず、密漁した人を告訴しているということです。
あとを絶たない密漁。軽い気持ちでとってしまうと、大きな代償を払うことになります。
■何をとると密漁になるのか
具体的に何をとると密漁になるのでしょうか。
共同漁業権区域内では、アサリ・マダコ・サザエ・ハマグリなどを一般の人が無断で取った場合、漁業権侵害として100万円以下の罰金が科される可能性があります。
さらに重大なのが、「特定水産動植物」に指定されているアワビ・ナマコ・シラスウナギなどです。これらを無断で取った場合、3年以下の拘禁刑または3000万円以下の罰金が科される可能性があります。
釣りなどで偶然とれてしまった場合も、必ず海に戻す必要があります。
■「漁業者の収入を奪うだけでなく、地域経済全体への打撃に」
元AERA編集長の浜田敬子氏は、密漁の問題が個人の違反行為にとどまらない点を指摘しています。
【浜田敬子氏】「果樹園などから果物を無断で持ち去れば窃盗であることは分かりやすい。海の場合も、日本の沿岸の多くには漁業権が設定されており、漁業者が時間とコストをかけて種苗を放流し、時間とお金をかけて資源管理をしています。
それを無断でとることは、漁業者の収入を奪うだけでなく、地域経済全体への打撃にもなりかねません。
さらに懸念されるのは、高級水産物を採取して海外に転売するといった、組織犯罪の資金源となるケースです。こうした背景もあり、近年は取締りが一層厳格化されています。
アサリの潮干狩りも、入場料を払って利用するものであることを忘れてはなりません。高い・安いにかかわらず、漁業権という概念が海にも存在することを理解しておく必要があります」
(関西テレビ「newsランナー」 2026年8月18日放送)
