熊本地震で、8月18日時点でわかっている農水産業の被害は約841億円。農作物だけでなく、施設や機械など被害は多岐に渡っています。
【八代市鏡町 橘農園 橘昌史 さん】
「びっくりしますよね。衝撃だった」
震度6強を観測した八代市鏡町。約70アールのハウスでトマトを栽培している橘昌史さん。準備を始めていた冬春トマトの生産に必要な、重さ約500キロのハウス用暖房機が横倒しになりました。
【八代市鏡町 橘農園 橘昌史さん】
「水害に遭わないために高くしていたけど、今度はそれが仇になった。八代の冬春トマトには欠かせない設備。これがないとトマトは冬場に育てられない」
2025年8月の記録的大雨に続く被害。それでも地震発生10日目の8月7日にはトマトの苗3600本をポットに移し替える「鉢上げ」の作業を行いました。苗はこのあとハウスの中に植え、順調に育てば10月中旬に今シーズンの収穫が始まるということです。
【八代市鏡町 橘農園 橘昌史さん】
「鏡町、八代と報道で出ると、全国からお見舞いのメールやがんばれのメールが来る。始まったからにはやっていくしかない。心折れてるとか言ってる場合じゃない。やるだけ」
【氷川町 コメ農家 正良さん】
「これから先が、家のことも心配だが作物も心配」
震度7の揺れに襲われた八代郡氷川町のコメ農家・正良さん。今回の地震で自宅が倒壊しました。こちらは自宅近くのもち米の水田。水をたたえていた田んぼは地震後、干上がってしまい割れ目が露出しています。
【氷川町 コメ農家 正良さん】
「稲が大事な時は、穂が出て白い花がつくときで、一番水がいる。稲の一生の中で。
その時期に水がなければ厳しいでしょうね」
9月上旬に、その大切な出穂期に入ります。正良さんは「このままだと穂が出たとしても、数が少なかったり成長が遅いなど影響が出るのでは」と話します。10月中旬の収穫時期を無事に迎えられるのか、心配な日々が続きます。
【宇城市松橋町 河野ぶどう園 河野真理さん】
「支柱も倒れていて全部がペチャンコ。完全に倒れていた」
宇城市松橋町でブドウ園を営む河野真理さんは、震度7の揺れでブドウの木の支柱の
4分の1以上が倒れました。この日はブドウ園にボランティアが入り、支柱などを元に戻す作業が行われました。
【宇城市松橋町 河野ぶどう園 河野真理さん】
「台風でも倒れたことがなかったので地震のすごさを感じた」
園内では地震前についていたブドウの約4割に当たる700房以上が落下。そのうえ、農園を囲む柵も一部が倒れたことでイノシシが侵入し、食害にも遭ったということです。
【宇城市松橋町 河野ぶどう園 河野真理さん】
「夫婦二人でしているので、どうやって支柱を起こすんだろうと思っていたが、ボランティアの西原村消防団があっという間に立ててくれてので安心したし、来年もがんばれるかなと希望を持った」
河野さんは、自宅も大きな被害に遭いましたが、70年続くぶどう園を続けていこうと前を向いています。
