今回の熊本地震では、受け継いできた家業が岐路に立たされる人も出ています。地震で大きな被害を受けた、宇城市で酪農を営む男性の苦しい胸の内を取材しました。
酪農家の福島龍斗さん:
「友達の基礎業者に見てもらったら『よく立ってるね』と。もう一回大きな地震が来たら『危ないかも』と」
今回の地震で震度7を観測した宇城市。およそ40頭の乳牛を飼育している酪農家・福島龍斗さん(28)の牛舎では、柱が破損し地割れが走るなど、大きな被害を受けました。
家業を継いで8年目、地震後、環境の変化が影響したのか、牛たちの様子も普段と違うといいます。
福島さん:
「根本的に(断水で)水が飲めないとか。人間と一緒で水飲まないと熱中症になったりとか、体調崩す原因にもなるし。いろんなストレスがあってか、乳量がだいぶ落ちてきちゃってる」
一日当たりおよそ600キロ搾乳できていたという生乳も、今は500キロまで落ち込んできたといいます。
さらに追い打ちをかけるのが、牛の餌となる飼料の高騰です。
ロシアによるウクライナ侵攻以降、物価高で経営環境が日に日に厳しさを増す中、築40年の牛舎の建て替えには二の足を踏みます。
福島さん:
「牛舎をまた一から建て直すとなると結構なお金がかかってくるんで。(借り入れをすると)返していくメドが立たない。ほとんど今でも売上から利益が残らない。いま考え時ですよね。これを機会に(酪農を)辞めるのも一手かなと」
今後は各種の手当や補助事業について調べながら、酪農事業の存続について検討するということです。
