災害の時、長引く断水や避難生活で懸念されるのが「歯みがき不足」だ。
歯と口の健康を守ることは、災害関連死を防ぐことにもつながるとして、医師たちは口腔ケアの重要性を呼びかけている。

10年前の熊本地震では、県内で亡くなった275人のうち、8割を占めたのが災害関連死だった。

死因は「呼吸器系の疾患」が最も多く、なかでも「誤嚥性肺炎」で亡くなった人が多かったという。
口の中の細菌が肺炎リスクに
歯科医師は災害時の「口のケア」の重要性を指摘している。

熊本県歯科医師会 牛島隆会長:
断水で水がない状態なので『歯みがきどころではない』という人も多いと思います。
そうすると、口の中に細菌がとても多く増殖します。

増殖した細菌が唾液を介して気管、肺の中に入ると肺炎を起こしやすくなるという。
牛島会長は「誤嚥性肺炎は本当に命に関わる病気なので、災害時には口のケアがとても大事ということを知ってほしい」と強調した。
「災害時こそ口のケアを」
水がない場合は、マウスウォッシュや歯みがきシートが口腔ケアに有効だ。

歯みがきシートは指に巻き付け、歯の汚れとともに頬の内側の粘膜をふき取ることも大切だという。

また、少量でも水がある場合はコップを2つ用意し、少なめの水で歯ブラシを濡らしてから歯を磨き、歯ブラシについた汚れは湿らせたティッシュで拭くとよい。
最後にもう1つのコップの水で口をゆすぐ。

このほか、口の体操やマッサージで唾液の分泌を促すことも、細菌の増殖を防ぐために有効だという。

熊本県歯科医師会は、各地の避難所を巡回して歯ブラシなどの物資を届けるとともに、口腔ケアの大切さを呼びかけている。
牛島会長は「災害が起きたときこそ、歯と口の健康をしっかり意識して自分の健康と命を守ってほしい」と訴える。
災害時は避難生活によるストレスや食生活の乱れなどで免疫力が下がり、体調を崩しやすくなる。
口腔ケアの方法について、熊本県歯科医師会はホームページで詳しく紹介している。

