冷え込みが続く日中関係。新潟県内でも直行便の運休や交流事業の中止など影響が及んでいる。こうした中、改めて市民レベルの草の根の交流の意義が見直されている。
中国の軍事動向「最大の戦略的挑戦」 冷え込み続く日中関係
7月、太平洋に向け行われた中国によるミサイルの発射実験。成功をアピールした中国に対し、日本は深刻な懸念を伝えた。
これに関連してか、この翌朝、佐渡の海には海上自衛隊とみられる船の姿が。上空では、航空自衛隊の戦闘機とみられる機体が大きな音を立てて飛行する様子も見られた。
その後も日本のEEZ=排他的経済水域の内側で射撃訓練を実施するなどその動きをめぐり、緊張が高まっている中国。
防衛省が8月4日の閣議で報告した2026年の防衛白書では、中国の軍事動向について「最大の戦略的挑戦」だと明記。
これをすぐさま中国側が批判するなど、日中関係は冷え込みが続いている。
そのきっかけとなっているのが、台湾有事をめぐる25年11月の高市総理の国会答弁だ。高市総理が中国による台湾への武力行使が起きた場合、日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得るとの認識を示すと、中国が猛烈に反発。
日本への渡航自粛を呼びかけるほか、一部水産物の輸入を停止した。こうした関係悪化の影響は新潟県内にも及んでいる。
定期便の運休・交流事業の中止…新潟県内にも影響「困難な局面」
「私から見れば両国関係は、国交正常化以来、最も厳しい、困難な局面に直面している」と日中関係について話すのは、在新潟中国総領事館の馮淳副総領事だ。
県内では高市総理の発言後、中国東方航空が新潟と上海を結ぶ定期便を運休。中国南方航空も予定していたハルビン線の再開を取りやめた。
これには新潟空港の活性化に力を入れる新潟県の花角知事も「残念としかいいようがない。利用者を増やす準備を、色々な支援の準備をしていた矢先なので」と声を落した。
こうした中、中国の旧正月に合わせ、中国の文化などを紹介しようと総領事館と県などが協力し、毎年行っていた新潟春節祭が26年は行われず。
8月に入っても新潟市が中国や韓国の高校生を招き予定していた生徒同士の交流イベントに中国の生徒が急遽不参加となるなど、若い世代の交流事業でも影響が続いている。
馮淳副総領事は「うちの総領事館の管轄地域の対中国の交流にも悪影響をもたらしたことについては当総領事館としてはすごく残念」と話す。
中国語教室で市民と交流「政治的なことより個人の理解が大切」
国交正常化以来日中関係が最も冷え込んでいるとも言われる中、今その意義が見直されているのが、市民による草の根レベルの交流だ。

この日、新潟市中央区の公民館で開かれていたのは中国語教室。
中国からの留学生が講師を務め、時折、中国の文化についてなど雑談を交えながら受講生と交流した。
月華会の伊藤邦彦会長は「私が代表になったのが約21年前で、生徒を募集すると必ず応募がある。中国語を学びたいという新潟市民のニーズはある」という。
教室を主催する月華会は47年前に発足。
この間、日中関係がぎくしゃくした時期もあったが、中国人講師を招き、中国の言葉や文化に関心を持つ市民との交流の場を守り続けてきた。

様々な催しが中止・縮小される中「交流の種を残したい」。関係者はそう教室の意義について話す。
伊藤会長は「政治的なことよりも個人の理解が大切。私たちは語学を通じてだが、人間対人間の関係がうまくできればいいかなと思っている」と話す。
「力を合わせて局面改善を」
今も互いの立場を主張し、改善に向けた兆しが見えない日中関係。草の根の交流は互いの理解を支える土台となるのだろうか。

馮副総領事は関係改善に向けた思いについて、こう話した。
「日中関係を改善するために共に知恵を出して、力を合わせて両国関係、局面を改善してほしい」

