新潟市で早くも新米の収穫が始まっている。関係者は、出来は良好とする一方で、「新米を取り巻く環境が例年とは異なる」と不安の声を口にしている。農家や米店、コメを販売するスーパーを取材した。
順調に成長!“新米”の収穫始まる
新潟市西蒲区で収穫が始まったのは、コシヒカリの突然変異で誕生した極早生品種の『五百川』だ。

近年続く高温の影響などが心配されたが、順調に成長し、品質も問題はなく15tほどの収穫を見込んでいるという。
羽黒あぐりの河井巖さんは「例年と比べても順調でおいしいお米ができたと思う」と自信をのぞかせた。
“コメ余り”米店の在庫は例年の5倍に
一方で、26年産の新米を取り巻く環境は「例年とは異なる」と五百川の販売を手がける星山米店の星山会長は話す。
「昨年はものすごいコメの高騰で『コメがない、ない』という中での騒ぎだったが、今年は逆に政府米の放出の影響もあり、コメが大量に余っている」
星山米店でも25年産のコメの在庫を例年の5倍、約300t抱えているという。

全国では6月末時点のコメの民間在庫量が243万tで、比較可能な1999年以降、最も高い水準に。
星山会長は「25年産のお米が大量に余っているので、損切の状態がさらに加速するのではないかと思っている」と話す。
新米と古米 同時にスーパーの店頭へ
こうした状況を受け、私たち消費者が普段コメを手にするスーパーマーケットも新米の季節を前に対応に追われている。
三条市にあるスーパーマルセンの太田雅悠さんは「古米がここ2~3年前よりかなり余っている状況」と説明する。
このため、新米と古米が同時に店頭に並ぶことになるという。

「今年に限っては古米と新米が店頭に並んでしまうということで、消費者が間違えないように売り場に注意を促す紙を準備している」
「安くなりすぎ」1年前に比べ約1000円の値下がり
気になるのは価格だが、7月20日からの1週間のコメの平均価格は3311円と5週連続の値下がり。
星山米店によると、この日収穫した五百川も25年は5kg4000円で販売していたが、26年は3000円弱で販売予定だという。

新米の値下がりは消費者にとってはうれしい反面、生産者からは先行きを不安視する声が聞かれた。
羽黒あぐりの河井さんは「25年は生産者から見ても高かったが、26年は安くなりすぎ。経営的にも苦しくなってしまうので、コメの価格がもう少し上がってくれればなと思う」と話す。
また、星山米店の星山会長も「生産者も高齢化を迎えているので、こういう状況が進めばやめるという方も多くなってくるのではないかな」と危惧する。
近年続く価格の乱高下はコメの安定生産には大きな課題となっている。

