熊本地震では避難後に熱中症とみられる症状で亡くなる人も出るなど、被災地では暑さ対策が急務となっています。こうした中、新潟県三条市ではエアコンと輻射パネルを組み合わせた冷暖房システムを学校の体育館に導入。県内の市町村からは熱い視線が注がれています。
【松村道子アナウンサー】
「三条市、本成寺中学校の体育館。近づいていくと、すでに冷気を感じます。非常に涼しい空間が広がっています」
三条市にある本成寺中学校の2つの体育館にそれぞれ8台導入されたエアコン。
家庭で使われる6畳用の5倍近い能力を持つエアコンの隣に設置されているのが輻射パネルです。
冷房の場合、エアコンの冷媒ガスが輻射パネルに流れ、冷やされたパネル自体が室内の熱を吸収し、温度を下げる仕組みです。
【エコファクトリー(開発メーカー) 兼平真 取締役】
「エアコンだと、冷たい風が届く、届かないによって大空間では特に中心部が冷えないなどがあるが、パネルに近いところから徐々に冷えていって、中心部まで均衡化し、冷えていくところがポイント」
【松村道子アナウンサー】
「非常に広い体育館ですが、どこにいても涼しく、気温にムラがないことを感じることができます」
気温表を見ると、午前11時の外気は35.3℃。体育館の中央部が24.8℃なのに対し、体育館の端でも26.2℃。場所による気温差が大きくないことが分かります。
サーモグラフィーでも人が過ごす場所の温度が均一になっていることが示されていました。
電気代はエアコンだけの場合に比べ、3割削減されるということです。
三条市が全ての中学校に輻射パネルを併用した冷暖房システム導入の検討を考えたきっかけは部活動でした。
【三条市教育総務課施設管理係 坂上登 係長】
「2年ぐらい前、その年の8月は(暑さで)全く体育館が使えなかったときもあったので、これでは子どもたちがかわいそうではないかと」
バスケットボール部の生徒は、その効果を実感しています。
【バスケットボール部員】
「昨年度は20分、体育館で運動して、そのあとの10分、エアコンの効いた部屋で体を冷まして、そのあとまた運動することを繰り返していた。今年から体育館にエアコンがついて快適に運動することができている」
一方、災害時には避難所となる体育館。熊本地震の被災地では空調のない避難所もあり、猛暑が続く真夏の災害で被災した人たちの健康が危ぶまれています。
8月6日、熊本市での被災地支援から戻った新潟市の職員が語ったのは…
【新潟市の職員】
「現地は40℃以上の気温の時もあったので、まず暑さ対策」
花角知事も熊本地震の被災地の現状を受け…
【花角知事】
「避難所の最低限の空調。これは寒さ対策にもなるが、急がなければならないと思う」
7日は県と18市町村の職員、あわせて約80人が県内で初めて導入された三条市の冷暖房システムを見学しました。
【長岡市教育施設課】
「熊本地震でもあった通り、真夏の避難所の空調設置は大変大事。今回の見学に基づいて長岡市に持ち帰って内部で検討したい」
【五泉市教育委員会】
「本当に涼しい。普通のエアコンで(輻射パネルとの)ハイブリッド式でやるということなので、故障したときにも修理が簡単なのかなと思った。色々なパターンを五泉市でも検討したい」
避難所として多くの市民の命を守る体育館。その冷暖房対策は待ったなしです。
