23日の特集は『内密出産』をめぐる国政の動きです。まず現状について。熊本市の慈恵病院では2021年の初事例以降これまでに71例、また去年取り組みを始めた
東京の賛育会病院では7例の内密出産が明らかになっています。事例が積み重なる中、国民民主党は今国会に法案を提出。一方、与党・自民党も今年に入りプロジェクトチームが動きをみせています。与野党キーマンの声を取材しました。

7月熊本市で開かれた講演会、会場には国内で最初に『内密出産』の取り組みを始めた慈恵病院の蓮田 健理事長や『こうのとりのゆりかご』いわゆる赤ちゃんポストに
預け入れられ成長した宮津 航一さんなどの姿がありました。

【7月12日講演 伊藤孝恵参議院議員(国民民主・愛知県選挙区)】
「2026年5月19日に(内密出産)法案を提出した」

この講演会は幸山 政史元熊本市長が代表を務める政治団体・くまもとVOICEが開きました。

登壇したのは慈恵病院を訪れるなど8年ほど前から赤ちゃんポストや内密出産をめぐる問題に取り組む国民民主党の伊藤 孝恵 参議院議員。

【講演・伊藤孝恵参議院議員】
「(内密出産)ガイドラインでは規定しきれない部分、これが法律事項となる。法律で手当していかなければならない。財政負担はもちろんしなければならない。そうでなければ熊本だけの慈恵病院だけの(内密出産)から出ることができない」

病院の一部の担当者にのみ身元を明かし出産する内密出産について厚生労働省は2022年、ガイドラインを発出していますが法制化には至っていません。

国民民主党は今年5月、内密出産の体制整備に関する法案を参議院に提出。

法案には実施する医療機関の経済的負担軽減や、生まれた子どもの出自を知る権利への対応などを盛り込みました。

【7月12日講演 伊藤孝恵 参議院議員】
「財政負担については結論を出していかなきゃいけない。これは『骨太(の方針)』に書いてもらえるか否か、今最後の調整をしているところ。出自を知る権利、内密出産の課題を考えるとき避けて通れないもの。そこについても私がしっかり結論を出すと約束したいと思う」

そして伊藤議員は与党の動きに言及しました。

【7月12日講演 伊藤孝恵 参議院議員】
「もっと大きな地殻変動もあった。坂本哲志 元孤独孤立担当大臣が呼びかけ人となり、新たな自民党内での議論の枠組みができた。これ、めちゃめちゃ大きい」

私たちは、その自民党・坂本 哲志衆議院議員を訪ねました。

【7月18日 坂本哲志衆議院議員(熊本3区選出)】
「かなり社会環境も含めて自民党内の環境も変わってきたと思う」

『内密出産』をめぐって与党・自民党は今年、プロジェクトチームのメンバーが
慈恵病院を視察するなど熊本で関係者からヒアリングを実施しました。

【4月6日・熊本市にて自民PT座長 松野博一元官房長官】
「現場の皆さんの大変な苦労を直接見せてもらい、話を聴かせてもらうのは極めて重要な要素だ。私たちの取り組みに当たっての思いをさらに深くした」

自民党のプロジェクトチームは6月までに論点を整理。

「内密出産を受け入れる医療機関への支援や法的保護・免責、また子どもの出自を
知る権利についても管理する公的主体を検討すること」としたほかこれまで責任を問われてこなかった「男性への対応の検討」なども論点に明記しました。

また坂本議員は21日閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針いわゆる『骨太の方針』について、こう述べました。

【坂本哲志 衆議院議員】
「骨太の中には今回初めて『課題を抱える妊産婦に対してのさまざまな対応策を考える』という一行が付け加えられたので自民党として、あるいはこども家庭庁として、
厚生労働省として対応策をとっていくと思っている。大きいと思う」

坂本議員は「『骨太の方針』に加えられることで自民党だけでなく国として対応策をとることになる」と述べました。

では自民党は今、内密出産の法制化を考えているのでしょうか。

【坂本哲志 衆議院議員】
「法制化とは違った対応策を考えている。『休眠預金(権利が消滅した預金)制度』を活用して生まれた子どもやお母さんを支援する案。立法措置も含めて論議が深まる
かどうか、これからの課題」

こうした内密出産をめぐる与野党の動きについて慈恵病院の蓮田理事長は、23日次のように語りました。

【慈恵病院 蓮田健理事長】
「骨太の方針に公の形で『困難を抱えている妊産婦の支援を』ということは貴重な一歩だと思う。今回国政レベルで与野党で支援しようという動きが始まったことは、これも貴重な一歩と思っている。このステップがないと次に行けないので、できれば
引き続き関心を持ってお力添えいただきたいと思っている」

内密出産をめぐり、与野党が新たな動きをみせています。

VTRに出てきた『骨太の方針』についてあらためてこちらを。21日閣議決定されたのですがこの中に初めて入ったのが「困難な状況にある妊産婦の支援」という文言です。でも「内密出産を求める女性」という表現ではないですよね?
はい。ただ「困難な状況にある妊産婦」はさまざまな女性を含みます。『ゆりかご』の開設から考えると19年が経過してようやく今年『骨太』に書かれたわけで大きな一歩かもしれません。国はどんな支援を行うのか、またこれから与野党でどんな議論が進められるのか注目したいと思います。

テレビ熊本
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