気象庁が2026年5月29日に防災気象情報の名称と体系を刷新して約1カ月半。山形県内では新たな運用が始まってから初めて、「レベル3大雨警報」が最上・庄内の一部地域に発表された。そのさなか、川の中州に釣り人が取り残されるという水難事故が発生した。警報が発表されたらどうすべきなのか、屋外にいる場合どんなことに気をつけるべきなのか、あらためて確認したい。
取り残された釣り人の救助に3時間
梅雨真っただ中の山形。
7月12日午前10時の時点で最上地方の一部で90ミリの大雨が降り、真室川町・最上町には「レベル3大雨警報」が発表された。

そんな中、舟形町の最上川と最上小国川の合流点で釣りをしていた男性2人から「鉄砲水で川が急に増水し川岸に戻れなくなった」と救助の要請があった。
2人は、村山地方に住む30代と20代の男性で、午前5時半ごろからバス釣りをしていたという。

駆けつけた消防の救助隊が2人に中州にとどまるよう指示し、まずロープを張ってヘルメットと救命胴衣を届け身の安全を確保。
水位が下がるのを待って、ロープ伝いに救出を試みる計画を立てたが、2時間経っても雨は収まらず、ゴムボートでの救出に切り替え作戦を決行した。

しかし、現場付近を大きな雨雲が通り、土砂降りの雨と濁流が救出を阻む。
それでも何とか中州に上陸し、2人をボートに乗せ引き返すが、増水した川の流れが荒く難航した。
「ロープ引け! 引け、引け!」と、ボート上と川岸側の救助隊員らによる息をあわせた決死の救出活動は3時間に及び、午前9時24分、2人は無事救助された。

警戒レベル3は自主避難のタイミング
今回の水難事故があった場所では過去に3人が亡くなっていて、地元の人々の間では“危険な場所”と認知されている。
救助を見守っていた近所に住む人に聞くと、「危険を知らせる看板も立ててもらっている。大雨警報が出ていて危険はわかっているのだから常識ある行動をとってほしい」と話していた。
さらに漁協関係者は、「増水の危険がある中、川で釣りをするのは自殺行為」と憤る。

そもそも「警戒レベル3」は危険な場所から高齢の人などは避難、それ以外の人も避難の準備や自主的な避難が必要な段階。
警察と消防も「川の上流で雨が降った場合、水位が一気に上昇する場合がある。川には絶対に近づかないでほしい」と呼びかけている。
私たち1人1人の判断・行動如何によっては、救助する側も危険にさらされる場合があることを肝に銘じておきたい。
川では上流の天気に注意が必要
レベル情報にはもちろん注意しなければいけないが、“鉄砲水”には、濁った水が上流から流れてきて、みるみる水かさが増し、あっという間に状況が一変する恐ろしさがある。
2021年7月の新潟・魚沼市の佐梨川の様子を見てみると、雨がほとんど降っていないように見えるが、その場所の天気が荒れていなくても鉄砲水が発生し得ることがわかる。

今回の最上川と最上小国川の合流地点で起こった水難事故現場も、まさに上流が大雨だった。
「レベル3大雨警報」が出ていたのは、画面の右上の方にあたる最上町。
事故があった舟形町には「レベル2注意報」さえ出てなく、雨量を比較してみても最上町の観測点の雨量が圧倒的に多い。
降っている雨以上に、上流から流れ込んできた水による増水の影響が大きかったと言える。

<川の中で特に危険な場所3つ>
1)中州は水位が上昇すると逃げ場所がなくなってしまう
2)川幅が狭くなっている所は急激に水位が上昇するおそれがある
3)川のカーブの外側は水の勢いが強くなる

こんな時はすぐ避難を!
●上流(水が流れてくる方)の空に黒い雲が見えた時
●ゴロゴロと雷が聞こえた時
●雨が降り始めた時
●落ち葉や流木・ごみが流れて来た場合、上流で水位が増している証拠

万一、屋外にいる場合は、これらに気をつけて注意して行動しよう。
(さくらんぼテレビ)

