「ながらスマホ」を強制的に阻止!
“一人一台”がスタンダードになりつつあるスマートフォン。
便利な反面、ついついSNSなどが気になってしまい、食事中やバスタイムにもスマホが手放せない…という人も多いのではないだろうか。
編集部でもそんな“スマホ漬け”の生活から脱却したい…という人向けに、スマホを一定時間ロックしてしまうサービスなどをご紹介してきた。
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そんな中、これを使えばせめて食事中はスマホを手放せそうなアイテムの情報が飛び込んできた。

それが、こちらの「バランス皿」。
素朴なデザインの木製のお皿だが、よくよく見てみると皿部分を支えている脚の片方はスマホ?
実は、もともとこのお皿には片方の脚が欠けていて、スマホを差し込まないと食事が出来ないデザインになっているのだ。

そしてこの「バランス皿」はノルウェー産シーフードの市場調査やマーケティングなどを行っている「ノルウェー水産物審議会」が開発したもの。
SNSからは「面白いアイデア!」という声や「こうでもしないとスマホ離れできない現代…」というため息も聞こえているが…
スマホを食器の一部にしてしまうことで、食事中の“ながらスマホ”を防止しマナー的にも良さそうだが、そもそも、ノルウェーのシーフードの普及活動を行う審議会が、日本のスマホ依存に思いを寄せる理由は何なのだろうか?
ノルウェー水産物審議会にお話を聞いてみた。
「スマホと向き合うより食事と向き合って」
――今回「バランス皿」を作ったきっかけは?
ノルウェーは世界で第2位の水産物輸出国です。水産物の生産・漁獲量の95%を世界のマーケットに輸出しています。ノルウェーサバは総漁獲量の98%以上が世界各地へ輸出され、日本は最大の輸出先国になります。日本で販売されている塩サバのうち、約7割はノルウェーサバが占めています。
特に2020年においては、1月から9月の間でノルウェーサバの対日輸出量は昨対比22%増となりました。数年前から続くサバブームですが、なぜ今サバの需要がさらに伸びているのか?コロナ禍との関係性も含めて探るべくノルウェー水産物審議会は水産物、特にサバに関する消費傾向の調査を実施いたしました。
その結果下記のことが判りました。
・料理頻度が増えたとの答えは3割以上
・食に対する関心や健康志向が高まっている
・栄養バランス・健康効果などを理由に2人に1人がサバを料理に活用している
・しかしながら、食事に集中できている人は少ない→理由としてスマホを見ながら食べているなど。
食事に集中できていないと、無意識に噛む回数が減り、最大限に栄養を吸収できないことが懸念されます。そこで、ながら食べの主な要因として挙げられたスマホを手放し、食べる事をもっと大切にしてほしいという願いを込めて食事と向き合える「バランス皿」を開発しました。
お皿のバランスをとることで食べ物と向き合うことができ、結果として栄養バランスもとれることが期待できます。

ノルウェー水産物審議会によると、「バランス皿」開発のきっかけは、日本の“サバブーム”とコロナ禍の関係を探るための調査(2020年9月5日~6日の2日間、全国20~50代男女計400名を対象としたインターネット調査、ノルウェー水産物審議会調べ)。
日本では過去にも「サバ缶ブーム」が話題となっていたが、今回の調査でも、コロナ禍で自炊が増えた中、サバ商品が栄養バランスを気にする人たちに依然として人気があるということがわかったという。
しかし、同時に「おうち時間のカラダの悩みとその改善策」について聞いた調査では、「身体に疲れを感じる」「イライラする」といった悩みに対し「食事の栄養バランスを整える」と回答した人はわずか2割程度。
さらに、せっかく栄養たっぷりのサバを取り入れた食事を作っていても、食事中にテレビやスマホ、ラジオといったデジタル機器を使用して「食事に集中できていない」人はなんと75.5%。

コロナ禍でも栄養を意識した“サバブーム”は続いているが、食事に集中できている人は非常に少ない、ということがわかったのだ。

そんな調査結果から、栄養価の高いノルウェーサバを食事に取り入れ、栄養バランスと休息をとる習慣をつくることを提案する「SAB-A-BREAK(サ・バ・ブレイク)」キャンペーンを発足。
さらに「食事に集中できる状態」を作るためにこの「バランス皿」を開発したという。

「スマホと向き合うよりも、食事と向き合ってほしい」と訴えるノルウェー水産物審議会。
キャンペーンの中では「そのメールすぐに返さなきゃいけませんか?」「ご飯の時もSNSを見なきゃだめですか?」という問いかけとともに、「美味しいノルウェーサバの味に集中していただきたい」という呼びかけもされている。
スマホを「どうすれば見えないようにできるか」に着目
――ユニークなデザインの「バランス皿」が生まれるまでの経緯は?
調査を通じて、ながら食べをしている人は7割以上いる中で、3人に1人は食事中の連絡や通知にストレスを感じていることも判明しました。同時に、約4割の人が食卓でスマホ画面側を上に向けて食事をとっていると回答し、連絡や通知が目に入るように置いていることがわかりました。
「スマホ画面をどうすれば見えないようにできるか」を軸に、皆さんに楽しみながら取り組んでもらえるように、様々なアイデアが挙がりましたが、最終的に「バランス皿」にたどり着きました。

――こだわりのポイントは?
皆さんの食事の時間をより豊かにするアイテムとして、家具職人に協力いただき、丁寧に「バランス皿」を製作しました。
ノルウェーサバをはじめ、食事を引き立たせる上品でシンプルなお皿を作るために、なだらかなカーブの形や、木目を美しく見せることに気を使って製作しました。また、木材は家具によく使われるウォルナットを使い、無垢の木のため、使って洗って、オリーブオイルなどでメンテナンスしていくことで、素材の質感の深みが増していきます。挿入口は、約70mm・75mmの2種類あり、様々なスマートフォンの横幅に対応しています。

――ちなみに、「バランス皿」に乗っているノルウェーサバのおすすめポイントは?
ノルウェーサバは9月~11月の2か月間が、美味しい脂が身に霜降り状に乗るベストシーズンです。ノルウェーではこの最も脂が乗って美味しい時期のサバだけを漁獲しています。その他のシーズンにもサバは回遊していますが、脂肪含有量も少ないサバになります。資源保護の観点から、ノルウェーでは本当に美味しい貴重サバだけを漁獲して、世界の食卓にお届けしています。
気になる「バランス皿」だが、こちらは11月9日~12月8日の1カ月間で行われる「SAB-A-BREAK」キャンペーンに参加すると抽選で10名にプレゼントされるという。
インスタグラムのSeafood from Norway公式アカウントをフォローし、ノルウェーサバを使った料理の写真を「#SABABREAK」のハッシュタグとともに投稿することで、キャンペーンに参加することができる。
現代人が陥りがちな“スマホ依存”に一石を投じてくれそうな、ユニークなアイテム。
ついついスマホを気にしてしまう現代人には良い薬になりそうなのと同時に、改めて食事の大切さや美味しさとしっかり向き合うきっかけになってくれそうだ。
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