さまざまな著名人が高知を訪れ、講演を行う「高知市夏季大学」が2026年も幕を開けた。
初日となる7月14日、満員の会場から大きな拍手で迎えられたのは、俳優、タレント、そして気象予報士として多方面で活躍する石原良純さん。
多才な顔を持つ石原さんが自身の生い立ちや家族愛、そして自然への思いを語った一日の模様をお届けする。
講演前に語った高知の思い出
講演を前にした控室で、石原氏は高知の印象について満面の笑みで語ってくれた。
石原良純さん:
「いやあ、高知も暑いね。もう夏空で。真夏本番の湿気がむわっとして、夏空というか湿気空でしたね」と石原さんならではの感性で高知の空気を表現する。
高知との関わりは古く、初めて訪れたのは小学生の時だそう。
石原良純さん:
「最初、小学校の時来てるんですよ。須崎だっけ?横浪三里でシオマテ貝を採った。ぴっぴってやる(塩を吹く)それをおぼえてる」
幼いころの記憶を懐かしそうに振り返った。
また、気象予報士の視点から見た高知の風土については―
石原良純さん:
「高知は南国って感じかな。生えている木なんかも微妙にやっぱり違うんだよね。波が荒くて風が吹く、男っぽい気象だと思います」
と表現し、南国特有の気候に魅力を感じているようだった。
父・慎太郎から学んだ「生きるエネルギー」
今回の講演の大きなテーマの一つが「石原家の家族愛」である。約730人の聴衆を前に、石原氏は父・石原慎太郎氏からの教えを語った。
石原良純さん:
「人間が生きるってことはエネルギーを出し続けること。エネルギーを出すというのはアウトプット。アウトプットするためにはインプット。それはものを見るのか、本を読むのか、聞くのか知らないけどインプット。このやりとりなのかなというのを父親が亡くなった時に学んだかな」
この力強い言葉が石原さんの胸に深く刻まれている。父が亡くなったとき、このインプットとアウトプットの絶え間ないやり取りこそが「生きる」ことなのだと、改めて学んだという。
叔父・裕次郎さんの教えと「空を見上げる」大切さ
もう一つのテーマは「自然への思い」だ。神奈川県の海辺の町で生まれ育った石原さんは、空が広く見える環境の中で育った。
石原良純さん:
「海辺の町って普通の町と何が違うかっていうと、僕の漠然とした考えなんですけど、空が広いんですよ。だから何かに付けて空に目がいくんです。なんであそこに雲があるのにここに雲がないんだろうとか」
子どものころに抱いた素朴な疑問を科学が解き明かしてくれることに面白さを感じ、気象予報士を目指すきっかけになったと明かした。
また芸能界へ入る際、昭和の大スターである叔父・石原裕次郎さんからこんなアドバイスを受けたそう。
石原良純さん:
「うちの叔父が2つ話をしてくれた。ひとつが時間をちゃんと守れ、もうひとつがちゃんと挨拶しろ」
その言葉も、10数年の時を経て「どの世界でも生きていける人間になるための、基本中の基本」だと気づいたという。甥っ子が芸能界を生き抜くためを思った、裕次郎さんの親代わりのような言葉だったと振り返った。講演の最後に石原さんは聴衆にむけて、もっとも身近な大自然である空についてこう締めくくった。
石原良純さん:
「人間は遠くを見ていると落ち着きます。天気予報、すごく精度が上がってきました。でもやっぱり自分の身は自分で守り、自分の目で見る。ぜひ皆さま一日に一度空を見上げられてはいかがでしょうか?どうもありがとうございました」
日々忙しく過ごす私たちに、ふと立ち止まって自然と向き合う時間の大切さを教えてくれる、温かくも力強いメッセージであった。
