庄原市の住宅で高齢の女性が殺害され遺体が発見された事件からきょう(6月24日)で1年です。
いまだ犯人逮捕に至っていませんが地域の「意識」は、この1年で大きく変わったといいます。
【第一発見者の女性】
「ああ6月の24日だったね」ってもうすぐ1年が来るねって」
1年前のきょう―庄原市東城町の住宅で一人暮らしをしていた矢吹定代さんが、頭や顔面を何らかの硬いもので複数回殴られ殺害されているのが見つかりました。
警察は強盗殺人も視野に捜査を続けていますが、1年経った今も容疑者の特定には至っていません。
【小西記者】
「事件から1年経った現場です。事件発生後と変わらず、現場には今も規制線が残されたままとなっています」
時が止まったかのような現場の前には稲の苗が植えられた田んぼが整然と広がっています。
15年ほど前から矢吹さんが持つ田んぼを借り、手入れを行ってきたという岡崎勘一さん。矢吹さんとの思い出をこう振り返ります。
【岡崎勘一さん】
「そりゃええ人よ、わしらから見たら。姿を見せたら(矢吹さんが)コーヒーをくれたりジュースくれたりした。なんで殺されないといけないか不思議でいけん」
矢吹さんのいない2度目の夏、岡崎さんは変わらず今年も稲の苗を植えました。
ただ、規制線の中だけは矢吹さんがいた頃の景色とは違います。
【第一発見者の女性】
「おかあさん(矢吹さん)はあんなことなかった。元気な時はいつも四季折々の花が咲いていた。今は草がだいぶ混ざってきたからちょっと寂しい気はします、(前を)通ると」
この事件は地域の“意識”を変えました。
【藤原富雄さん】
「この事件を地域としてもあったよのうということにはしてはいけない」
事件をきっかけに地域で防犯の意識が上がったと話すのはこの地区を見守ってきた藤原富雄さんです。
矢吹さんの自宅は当時、正面玄関が施錠されていたものの勝手口に鍵はかかっていませんでした。
【自治会に関わる藤原富雄さん】
Q:地域で鍵を閉めようという意識は?
「(当時は)鍵をかけて1割くらい。今回の事件で地域は大きく変わって、振興部も色んな防犯に関することに取り組んできた」
去年8月には現場付近の県道に防犯カメラを設置地域住民が市に要望し、ようやく設置に至りました。
「事件の情報提供をお願いしています」
1年前には防犯カメラの数も少なく、この「手がかり」の少なさが捜査を難航させる1つの要因にもなっているこの事件。
改めて重要になるのは地域住民の“情報”です。
【庄原警察署・村尾隆之 署長】
「どのような情報が事件解決につながるかわかりませんので、ためらうことなく情報提供をお願いできれば」
地域には、矢吹さんが残したものがあります。
【藤原富雄さん】
「亡くなる4.5年前ごろからずっときれいな花を地域の人と植えていました」
次の年のために種を準備していた矢吹さんは、愛情をかけて育てた植物の種や苗を近隣住民に分けていました。
季節が巡り、苗を受け継いだ女性の庭でヒャクニチソウがそっとつぼみをつけています。
【第一発見者】
「みんな(想いを)継ぎたいというのと、咲いたらやっぱりお母さんのこと、矢吹さんのことが思い出せるかなと思います」
矢吹さんのため、地域のため、1日も早い事件解決が望まれています。
<情報提供>
捜査本部 0824-72-0110(庄原警察署)
