2024年10月、北海道江別市の公園で大学生の長谷知哉さん(当時20)が男女6人に集団暴行を受けて死亡した事件。
札幌地裁では強盗致死などの罪に問われている川村葉音被告(21)、当時18歳の滝沢海裕被告、当時16歳の少年の3人の裁判員裁判が続いています。
■暴行開始後も「普通に笑いが止まらない」
これまでの裁判で、長谷さんの遺体を司法解剖した医師は「被害者は頭と顔の全体にわたって出血していて、数十回以上顔面が打撃されたと考えられる」と証言。全身の血液量の20~30%を失い、外傷性ショックで死亡したと説明しました。
検察側は被告である当時16歳の少年について、暴行の主犯格とされる川口侑斗被告(当時18)による長谷さんへの暴行が始まった後も、暴行を止めることなく、「普通に笑いが止まらない」などと被害者を嘲笑し、暴行に同調したと指摘しました。また少年本人も、自身のサンダルに血が付いたことに腹を立て、長谷さんの腹部を蹴り、責任が軽微とは言えないと指摘しました。
一方、弁護側は、被告の少年が「周囲に判断をゆだねる傾向がある」と主張。生育環境などから、「格上と判断した人物には反抗することなく従う傾向がある」としました。その上で、置かれた環境を考慮し犯行に及んだ要因を考えるべき、などと主張しました。
■母親と被告の謝罪、「川口被告と付き合わなければ」
証人として出廷した、被告の少年の母親は証言台で、「息子が取り返しのつかないことをして大変申し訳ございませんでした。息子と償っていこうと思います。本当に申し訳ございませんでした」と謝罪。
事件を知った当時の心境については「あきれと怒りです」と証言。事件については「残酷でひどくて許されない行為だと思います」と話しました。また、事件前から、少年と川口被告が交友関係にあったことについて「川口被告と付き合わなければ…とずっと思っています」と述べました。
一方、被告である少年は公判で、「大切な家族の命を奪ってしまい申し訳ございませんでした」と謝罪の言葉を口にしました。
■「うわーこれ花火だ」弁護側も「非常にグロテスク」
少年の被告人質問では、弁護側からの「(主犯格の)川口被告を一単語で表すと」という質問に対して、「ちょっと面倒くさい」と表現。その上で、過去に川口被告にいじめから救ってもらった「恩」があったと説明しました。
当時、少年は、頭髪を燃やされた被害者の長谷さんを見て「うわーこれ花火だ」などと、はやし立てていましたが、弁護側は「人が毛を燃やされているのを花火に例えるのは非常にグロテスク」と指摘。少年は「その時は花火のように見えたので、そう言った」と述べました。
少年は「事件を起こしたこと、被害者の気持ち、被害者家族の気持ちを考え続けようと思います」と述べ、18日の被告人質問を終えました。
6月19日には、検察側の被告人質問や、論告求刑が予定されています。
■川村被告には「無期懲役」、滝沢被告には「懲役20年」
この裁判では6月5日、川村被告に対して検察側が「犯行は著しく悪質で、情状に酌量すべき事情が見いだせない」として無期懲役を求刑しています。
一方、弁護側は「最初から加害行為を計画していたものではなく、偶発的だった」として、「13年の有期懲役が妥当だ」としています。
6月11日の裁判では、滝沢被告に対して検察側が「終始主導したとは認められない」として懲役20年を求刑。一方、弁護側は「少年であることが考慮されるべき。流れを抜けられない未熟さがあった」として「懲役15年が妥当」としています。
16歳の少年を含めた、川村被告、滝沢被告ら3人の判決は、6月25日に言い渡される予定です。
