2026年秋のアジア大会の代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権・男子1500mに、異色の経歴を持つ、地元・愛知のランナーが出場しました。高校を卒業後、単身アメリカに“陸上留学”し、急成長を遂げた樋口諒(ひぐち・りょう)選手、陸上を始めたきっかけは「愛知駅伝」でした。
■アメリカへ“陸上留学” …進学校出身の“異色のランナー”
生まれ変わった名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムで、6月12日から3日間、陸上の日本選手権が開かれました。
アジア大会の代表選考会を兼ね、女子やり投げの北口榛花選手や、男子100mの桐生祥秀選手など、世界を舞台に活躍するアスリートが続々と登場。
女子5000mでは、地元・愛知県豊田市出身で名城大学卒業の山本有真選手が、5連覇を目指した田中希実選手をゴール直前で逆転し、アジア大会の日本代表に内定しました。
山本選手は、2019年の愛知駅伝でも豊田市代表として出場しましたが、同じ年の大会にもう1人、世界を目指すアスリートが出場していました。今回の日本選手権の男子1500mに出場した樋口諒選手です。

樋口選手は稲沢市出身で、県内有数の進学校・一宮高校から、アメリカのカンザス大学に進学した異色の経歴の持ち主です。
樋口諒選手:
「中距離のレベルが高いですし盛んなので、ノウハウのあるアメリカの大学に行きたいと思いました」
カンザス大学はスポーツの名門校で、陸上も9レーンある本格的なトラックに、インドアのトラックも完備されています。

高校時代は無名の選手でしたが、この恵まれた環境で急速に力を付け、2024年のU20日本選手権1500mでは見事に優勝!一気に日本のトップランナーに駆けあがろうとしています。
樋口諒選手:
「日本だと満足しちゃうようなタイムでも、向こうでは全然ゴロゴロいるような感じなので、強くなるにはもってこいの環境かなと思います。心もタフになったと思います」
■陸上未経験で“愛知駅伝”出場 つかんだ手応え
日本選手権に出場するため、久々に帰国した樋口選手、家族と食卓を囲みます。
最初は慣れなかったアメリカの食事も今では大好物で、留学前より筋力がつき、体重は5キロ増えました。

樋口諒選手:
「(実家の)カレーライスとか、たまに食べたいなって時があります」
母親の知美さん:
「陸上で行ったんだけど、英語もしゃべれるようになりたいとか 両方かなえていっているので、成長して毎年帰って来てくれるのが本当に楽しみです」
父親の学さん:
「生命力が強くなってるというか」
次男の瞬さん(15):
「どこまで伸びるか、親目線で見ちゃっているんですけど、楽しみだなって思います」
三男の類さん(11):
「年が離れているけど、離れているようには感じない。楽しく話せます」

陸上を始めたきっかけは愛知駅伝。中学では野球部でしたが、足の速さを買われ稲沢市代表として出場し、区間記録は38人中10位と手ごたえをつかんだ一方で、上には上がいるという向上心も芽生えたといいます。
■夢の“日本代表”へ…運命のスタートライン
あれから7年、ついに日本の頂点を決める舞台のスタートラインに立った樋口選手。男子1500mの予選を突破し、13日の決勝に駒を進めました。
決勝で樋口選手は前半から積極的に前へ出ますが、後続の集団がピッチを上げ、激しいレースとなります。
残り1周は足が思うように動かず、結果は3分48秒17で11位。自己ベストより10秒も遅いタイムでした。
樋口諒選手:
「まだまだ弱いなと思いました。この悔しさを忘れず、全力で頑張って絶対に日本一を取ろうと思います」

夢は2028年のロサンゼルスオリンピック。アメリカンドリームを目指して、樋口選手の挑戦は続きます。

