熊本地震の発生から8月6日で9日となりましたが、未だに断水などによる水不足は深刻な状態が続いています。愛知県内でも、もしもの際の井戸の重要性が見直されています。
■熊本で断水続く中、公園の”井戸水”は南海トラフ対策に…
熊本地震では依然として約6900人が避難生活を続ける中、被災者を苦しめている要因の一つが断水です。県内では5日時点で、4万3000戸以上で断水が続いています。
災害による水不足、愛知での備えは…。
(リポート)
「こちらの公園には井戸が整備されていて、普段から水が出るようになっています」
愛知県長久手市、芝生が広がる公園の一角に設置された井戸。

長久手市みどりの推進課の担当者:
「何か起きた時には、災害用の水としても使っていただけます。普段は手を洗ったり、水遊びする用途で使われる」
この公園は、長久手市の一時避難場所に指定されています。ベンチは座面を外すと、炊き出しなどに使えるかまどに。また、下水につながるマンホールトイレなども整備されています。

長久手市は、南海トラフ巨大地震が発生した際、4万5000人以上が断水の被害に遭うと想定されていて、これらの設備は2020年に災害時の拠点となるよう約8000万円をかけて作られました。
井戸の水は飲むことはできませんが、災害時は生活用水として、風呂やトイレなどでの活用が期待されています。

長久手市みどりの推進課の担当者:
「公園を維持管理している地域の団体さんに、年に1回程度、防災施設を使ったイベントを企画してもらっていて、地域への周知も図っている」
■個人宅でも…地震受け「井戸」設置の問い合わせ増える
一方、今回の熊本地震をきっかけに、個人でも井戸の重要性が見直されています。
防災井戸屋の神野さん:
「問い合わせは増えました。数字で言うと、2倍から3倍。最近もグループホームさんから『寝たきりの方がたくさんいる。何かあった時、有事の際に備えたい』という問い合わせとか」
一宮市にある井戸の整備を行う会社「防災井戸屋」。これまで愛知県内を中心にあわせて40本ほどの井戸を設置してきましたが、熊本地震が発生したあと、問い合わせが増えたといいます。

防災井戸屋の神野さん:
「最短で2日間ぐらいでできるところもありますし、長いところだと1カ月近くかかっちゃう」
価格は手押しポンプ式や電動ポンプなど種類によって異なりますが、工事費込みでおよそ33万円から。設置する自治体の条例で禁止されていなければ、自宅の庭などに1平方メートル確保できれば施工できるそうです。
こちらは神野さんが手掛けた井戸の一つ。依頼したのは一宮市の澤田美佑さんです。

防災井戸を畑に設置した澤田さん:
「水があれば生活の面、トイレに困ることもないし、洗濯もできる。小学生の息子がいまして、電動と迷ったんですけど、子供でもひけるように手動きのポンプを設置していただきました」
2024年の能登半島地震で起きた水不足の話を聞き、井戸の設置を決め、飲み水には使えませんが、普段は畑の水やりなどにも活用しています。
施工会社の神野さんは、地震による断水が起きた際、井戸は生活用水確保のための貴重な水源になると話します。
防災井戸屋の神野さん:
「さまざまなところで水は必要となってくるので、災害があった時には地域の方々みんなで協力して、防災井戸を使ってなんとか乗り越えていただきたい」
■「地震ハザードマップ」バケツマークは”井戸”の印!…色の違いの意味は?
名古屋市が出している「地震ハザードマップ」を見ると、「避難場所」や、蛇口が示す「応急給水施設」のほかに、「バケツマーク」があります。

このバケツマークが「災害応急用の井戸」を表しています。濃い青のバケツが、一般家庭の「災害応急用協力井戸」。水色のバケツが、事業所の「災害応急用井戸」です。
これらの井戸は、災害で水の確保が困難になったとき、持ち主の許可を元に、トイレや風呂用の生活用水として、井戸水を提供してくれる場所です。
阪神淡路大震災をきっかけに1996年度にスタートし、7月末現在で、名古屋市内に計566箇所あります。飲料用ではないということです。

