OHK岡山放送<岡山・香川エリア>で平日夕方午後6時9分から放送の「OHK Live News」で、身近な社会課題の解決を目指す企画「Re:change(リ・チェンジ)」。

5月21日の放送では、意識することが少ない「街路樹」に、実は危険が迫っている問題を取材した。

◆岡山市中心部に散らばった「巨木の残骸」その実態を取材

5月1日、岡山市中心部で、巨木の残骸が散らばった。記者が現場に向かうと、倒木の影響で近くの街灯が根元から折れ大破していた。

人が行き交う日中、高さ約20メートル、周囲約2メートルの街路樹が突然、倒れたというのだ。ケガをした人はいなかったが、あわや大惨事となるところだった。

大気の状態が不安定で強い風が吹いたことが倒木の原因とみられ、これから台風シーズンを迎えるという中、多くの人に不安を与えた。

5月1日 岡山市中心部で倒れた街路樹
5月1日 岡山市中心部で倒れた街路樹
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◆「危険な木は切り倒してほしい」倒木が招いた住民の「不安」

倒木の危険性がある一方で、まちの景観を保つなど様々な役割がある街路樹。街の人たちはどのような印象を持っているのか。

「大きい木は調査した方がいい」
「よく倒れる。老木は折れるのだろう」
「危険な木は切り倒してほしい」

倒木の取材を通じて、付近を通りがかった人は大きな木や老木は危険なのではないかという印象を抱いたことがうかがえる。

街の人は…
街の人は…

◆「街並みに緑があるのは大切」「なかったら悲しくなる」倒木で街路樹の存在を再認識した人も

一方、倒木により、街の人からは

「四季折々の花など色々なものを見せてくれる。街並みに緑があるのは大切で必要なこと」
「なかったら悲しくなるのでは。あることが当たり前すぎる」

と、改めて街路樹の存在を意識したという声も聞かれた。

街の人は…
街の人は…

◆街路樹は岡山市が管轄するものだけで約6万本…そもそも、何のためにある?

そもそも街路樹は、何のためにあるのか。

岡山市によると、車社会の到来とともに昭和40年代から車が走りやすい道路の整備が進んだことにより、車道と歩道を分けるために街路樹が設置された。

現在、その数は、市が管轄するものだけで約6万本。老朽化で倒れやすくなっている木も多いとみられるが、実態はよく分かっていない。

街路樹を設置する理由
街路樹を設置する理由

◆倒木が発生した現場の木を樹木医が診察 倒木の原因は

そこで今回、倒木の現場を樹木医・竹入隆弘さんに診てもらうことにした。

すると「これが倒木した木の根元だが、完全に枯れて腐っている。(木の繊維が)ちぎって取れるくらい腐っている」

内部が腐って枯れてしまい、倒れる原因になったという。

倒木した木の根元
倒木した木の根元

◆ほとんど葉がない枝に樹木医が感じた「木のSOS」

隣のサクラも問題がないように見えたが、竹入さんによると、葉が付いている枝もある一方で、ほとんど葉がない枝を見て「この大きな枝は枯れている」と指摘。これは木のSOSだと語る。

竹入さんは「外からは見えないが内部で何か進行している。木が生きていくために何らかの反応を示した結果、この部分が膨らんでいると思われる」

木には穴が見受けられ、害虫が入った形跡かもしれないと推察した。

木のSOS
木のSOS

◆弱った木に虫が穴→キノコ・カビなどが繁殖→内部から腐る…異変に気づき「市民一体で木を守る」時代に

弱った木に虫が穴を空けると、キノコやカビなどが繁殖し、内部から腐る原因となる。竹入さんは、こうした木の異変を見逃さないことが重要で、「丁寧な観察や診断が必要な時期や時代になっている」と語った。

普段何気なく通り過ぎる街路樹だが、それを「市民一体で木を守る。木の恩恵を受けるという市になれば」と樹木医は語る。

樹木医 竹入隆弘さん
樹木医 竹入隆弘さん

◆差し迫った危機に新たな「アプリ」で対応 街路種の一元管理に着手

実は、2025年6月以降、岡山市内で街路樹が倒れたのは今回を含めて3回目。市は良好な都市景観をつくる意味からも街路樹再生に向けたプログラムも始めているが、差し迫った危機に新たな一手を打とうとしている。

岡山市庭園都市推進課長の宮内和志さんに、それぞれの木をデータ化して、アプリを使いながら一元管理する取り組みを聞いた。

提供:岡山市
提供:岡山市

◆岡山市では街路樹情報をインターネット上のクラウドで一元管理できるアプリを開発中

市は街路樹の情報を書類を中心に記録してきたが、インターネット上のクラウドで一元管理できるアプリの開発を進めている。

街路樹にQRコードを付け、木の種類や年齢、最新の点検情報などを確認できるようにするというもので、2026年度中の導入を目指している。

街路樹にQRコード
街路樹にQRコード

◆街路樹に「キノコ」生育などの異常があったらいち早く岡山市に通報を

しかし、岡山市では差し迫る危機に対して「市民の協力」も求めたいとしている。

宮内さんは「点検や診断にはこれから力を入れていきたいので、キノコが生えているなど異常を発見したら、早くわれわれに通報してもらえたら」と取材を通して市民に要請した。


身近に迫る街路樹の危険。岡山市だけでなく多くの街で同じ状況が考えられる。一人一人が他人事と思わず、関心を持つことが大切だ。

(岡山放送)

岡山市庭園都市推進課 宮内和志課長
岡山市庭園都市推進課 宮内和志課長
岡山放送
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