「犯行は極めて残虐で悪質である」
北海道旭川市の橋から、女子高校生を落下させ殺害した罪などに問われた女の裁判で、検察側は女に懲役27年を求刑した。
「犯行は女子高校生の人格の尊厳を踏みにじる、極めて残虐なものであって悪質である。懲役27年に処するべきである」(検察側)
時折、視線を落としメモを取りながら。
検察側の求刑に表情を変えなかった内田梨瑚被告(23)。
内田被告は「殺害行為はなかった」と殺人の罪などを否認
旭川市で2024年に監禁された女子高校生が全裸にされた上、橋から落とされて殺害されたとされる事件の裁判。

内田被告は殺人、不同意わいせつ致死、監禁の3つの罪に問われている。
「私には殺意はありませんでしたし、橋から落下させていません」(初公判での内田梨瑚被告)
初公判から変わらず、殺害行為はなかったと殺人の罪などを内田被告は否認している。
女子高校生の両親の苦しい胸の内「私の娘が望む判決を下してください」
6月8日の裁判では、代理人が女子高校生の母親の苦しい胸の内を代読した。

「被告人は深々と頭を下げていますが、つじつまの合わない発言をしていて内省・反省をしているとは到底思えません。被告人は娘をどれほど恐怖に陥れたものか分かっているのでしょうか」(女子高校生の母親の代理人)
さらに父親が出廷し、60キロ以上川に流され損傷が激しい娘の顔は、確かめることすらできない状態だったと語った。
「かけがえのない娘を守ってやれなかったのが悔しくて、娘のことが心から大好きでした。裁判官・裁判員の皆さま、どうかどうか…」(女子高校生の父親)
内田被告を指さし、涙ながらに叫んだ。
「私の娘が望む判決を下してください。よろしくお願いします」(父親)
検察側の求刑は今回の有期刑の上限「懲役27年」
そして、検察側の求刑。

「死の結果は被告人らの執拗な暴行・脅迫・監禁・悪質なわいせつ行為などが招いたもので、殺人の実行行為を行ったと認められる」(検察側)
内田被告が否認する、橋から突き落とす行為がなかったとしても、一連の橋の上での脅迫や暴行などが殺人の実行行為にあたるとした検察側。
事件は内田被告の画像を、女子高校生が無断使用したことが発端だったが。
「犯行に至った経緯と動機が身勝手極まりなく、酌量の余地が一切ない。懲役27年に処するべきである」(検察側)
検察が求めたのは、今回の有期刑の上限、懲役27年。
弁護側は「殺意と殺害行為はない」と反論
一方、弁護側は殺意と殺害行為はないと引き続き反論。

内田被告が「女子高校生の肩甲骨のあたりを両手の手のひらで押した」と主張する共犯の女の証言は。
「内田被告に敵意を持っていることがうかがえる。共犯の女は(検察側に)教育された証人であり、証言はいずれも信用できない」(弁護側)
さらに事件の計画性を否定する。
「被告人が流れをコントロールしたわけではなく、すべて被告人の責任とは言えない。(内田被告が)適切な時期に社会復帰できる場を見つけてあげたい」(弁護側)
遺族に一礼した内田被告「結果の重大さを身にしみて感じた」
最後、遺族に一礼した内田被告は。

「きょうまで8回の裁判を通して、あらためて結果の重大さを身にしみて感じました。今後も反省・謝罪・償いの日々を送ります」(内田被告)
検察側と弁護側 現在の争点は―
検察側と弁護側、それぞれの主張から現在の争点を整理する。

■共犯の女の証言の信用性
検察側:共犯の女の証言は合理的かつ具体的であり、自らに不利な内容も含まれることから信用できる
弁護側:共犯の女は内田被告に対して敵意を抱いており、証言は信用できない
■殺人罪の成否
検察側:直接突き落とす行為がなかったとしても、被害者を追い詰めた行為自体が殺人罪に該当する
弁護側:内田被告に殺意はなく、背中を押すといった殺人行為もなかった
2人の量刑の違いは―
■2人の量刑の現状

共犯の女:懲役25年の求刑に対し、判決は懲役23年。犯行における役割が内田被告よりやや小さいと判断
内田被告:懲役27年が求刑されている。検察側は「主犯であり、最も重い責任を負うべき」と主張。6月22日に判決が言い渡される予定